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「銭天堂8」を読んで

2024/12/11

ふしぎ駄菓子屋 銭天堂8 – 2017/10/4 廣嶋 玲子 (著), jyajya (イラスト)
ふしぎ駄菓子屋 銭天堂8

「銭天堂8 作:廣嶋玲子 絵:jyajya」を読んでみた。

よどみ再び……な巻。思ったよりしつこかったんだなと思った。アニメだけを見てると、どこまでが区切りかよくわからないけど、一巻ずつ読んでいくと区切りがよくわかる。そして、紅子が「しつこい」と言ってたけど、ほんとしつこいなと思う。

『ほしいイモ』
自分の気持ちを正直に言いたくて『ほしいイモ』を食べた少女が、なぜか何を見ても「ほしい」と言ってしまうようになる話。最終的に、菓子の効果を消してもらった。

『おっかさん仮面』
一人暮らしで心細くなり『おっかさん仮面』を買う男性の話。何でも面倒を見てもらえて、楽だと思っていたけれど、失言から仮面を怒らせてしまう。
最終的には『家族にもありがとうは伝えないといけない』と分かるいい話になっていた。……うーん。ラストは確かにいい話なのだけど、母親が面倒見がよすぎるのも問題なのよね。モヤっとする点もある。

『泣かんパイ』
ちょっとしてしまうことで鳴いてしまう男の子が『泣かんパイ』を食べる話。なぜか泣きたい時にも泣けなくなる。これも最初の話と同じような感じだけど、最後は猫の『墨丸』が銭天堂の紅子に異変を伝える。

『夜の工房にて』
実は……お菓子の材料に『悪意エキス』が混ざっていたことが判明する話。よどみの黒猫の使い捨てっぷりが素敵だなと思う。

『マスク・メロンパン』
子役のわが子のために『マスク・メロンパン』を買う母親の話。悪意エキスが混ざっていて、子供は笑えなくなる。おわびに「なりきりくずきり」を勧められるが、父親が反対して「正直ニッキ」を選ぶ。しかし子役の演技は出来なくなり、母親は後悔する。
これも虐待ですね。父親がまともな事が救い。

『バイリンガール』
異国の子と話したくて『バイリンガール』を買う男の子の話。自分とだけ仲良くしていたのに、日本語を覚えて他の子と話すようになった女の子に不満を覚える。思わず『バイリンガール』を捨ててしまうが、女の子が日本語を覚えたように自分も相手の言葉を覚えようとする。
少し説教臭さがするのが苦手だなと思った。

『スリスリリンゴ』
突然、人気者になった友人が気に入らない女の子の話。よどみから『スリスリリンゴ』を貰い、友人が銭天堂で買った『巫女缶』を奪う。それを警官に見られてしまうが逃げ出して、リンゴの能力は消してもらう。
話が詰め込んであって、以前読んだあの話のあのキャラが……という出会いが多すぎる。
たまには振り返りをしたくなったという事なのだろうか?

ラストはよどみが嫌がらせに失敗して凍りつく場面で終わっていた。
カチカチの氷……これでまた、一旦、よどみはお休みなのねと思った。
そして、この凍りつくシーンは文章だといまいちな感じがしてしまった。アニメの方が迫力あったような気がする。

さらに『海外の人がいる』と思ってしまった。こういう肌の色と瞳の色と言語が違う人が『銭天堂のお客』になるのはいつだろう。ワクワクしながら待ってる。
『バイリンガール』があれば、海外のお客様対応もばっちりというのはわかった。

『銭天堂8』