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「銭天堂16」を読んで

2025/04/29

ふしぎ駄菓子屋 銭天堂16 ペーパーバック – 2021/9/13 廣嶋玲子 (著), jyajya (イラスト)
ふしぎ駄菓子屋 銭天堂 (16)

「銭天堂16 作:廣嶋玲子 絵:jyajya」を読んでみた。
研究所との対決の巻。デジタルトの話がワクワク・ドキドキして好き。

『いいものナゲット』
前巻の最終話『クリーングリーンティ』を貰った男の子におわびとして『いいものナゲット』をプレゼントする話。
男の子は自分には必要がない自転車を渡して、本当に欲しかったコップを手にする物語。
良い話。男の子がじっくり考えた結果の行動が素敵すぎた。

『メイク・アップル』
「すっぴんビューティー」を渡されて飲んでしまった女性が、お詫びとして『メイク・アップル』を手にする話。
半分だけという注意書きを読んだけど、思わず全部食べてしまって……幸せになる物語。
研究所の商品と銭天堂の商品が一緒の物語に入ってる。と思ってしまった。そして、ホームページに注意書きがあるとなっている。悪質商品か!!と突っ込みたい。
物語はハッピーエンドだけど、見た目や年齢のことなど、モヤっとする要素は多い。

『ごまかしボーロ』
友だちと離れたい女の子が『うそつきチョコ』を渡される。紅子がすんでのところでそれを止め、『ごまかしボーロ』をお詫びとして女の子に渡す話。
『ごまかしボーロ』は時間稼ぎをするだけなので、最後にはごまかしきれなくなり女の子は『ごまかす』ことについて考える物語。
教訓的ではあるけれど、これはたぶん、コミュニケーション方法の問題なので、現代日本では『ごまかしは意味がないよね』では子供がつらくなるだけな気がする。教訓(これは良くない)ではなくて、教育(こうした方がいいよね)の物語が読みたい。

『六条研究所にて……』
六条教授のたくらみがわかる話。

『忍者ニンジャー』
編集者から逃げたい漫画家に『ゴーストトースト』を渡されるのを阻止して、『忍者ニンジャー』をお詫びにプレゼントする話。
でも、編集者の運の方が強く『食らいつきクッキー』に負けて、漫画家は編集者につかまる物語。
アイテム同士のバランスみたいなのは以前にもあった気がする。紅子がお菓子を配ってた女性を捕まえて忠告するシーンはかっこよかった。

『銭天堂にて』
銭天堂での紅子とネコさんたちの話。

『まねまねマネー』
研究所への注意をしてくれた関ノ瀬さんに『まねまねマネー』を渡そうとするが、断られて『見定メーター』を娘に返す話。
パパさん、真面目過ぎだろ。と思ったけど、これはこれで素敵ないい話。『見定メーター』は一見大したことがない商品に見えたけど、重要アイテムなのでは??と思う。就職先をこれで見つけるとか……私もそれ欲しいと思った。職場って結局『人との相性』だものね。

『デジタルト』
研究所の六条教授との対決の話。研究所に忍び込んだ紅子はとらわれてしまうが、研究員たちが突然パニックを起こし、コンピューターを破壊してしまう。それは研究所に差し入れた『デジタルト』のせいだった。『デジタルト』はデジタルに強くなるが、元々得意だった人にはパニックを起こさせるという物語。

そして、ラストは次の六条教授の計画が進んでいて……。

アニメの通りだと思いながらハラハラドキドキしながら読んでしまった。こういう対立系の話の方が好きだな。デジタルト、食べたい。パニック起こしてみたい。そしたら、紙とペンに延々書きなぐって腱鞘炎になりそう。パソコンは手首にタコができる程度だけど、目が疲れるんだよな。


前巻はチクチクしてたけど、この巻は良い話が混ざっていてほっこりした。
ごちそうさまでした。


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