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「銭天堂7」を読んで

2024/12/11

ふしぎ駄菓子屋 銭天堂7 – 2017/2/22 廣嶋 玲子 (著), jyajya (イラスト)
ふしぎ駄菓子屋 銭天堂7

「銭天堂7 作:廣嶋玲子 絵:jyajya」を読んでみた。

いつもの銭天堂……ではなくて、怪童との勝負。二つのお菓子を銭天堂で出して、お客に選ばせる。銭天堂と天獄園の勝負。

『ドリームドーム』
家が狭いことに不満を持っている女の子がドリームドームで楽しむ話。
狭いのに、『ランドセルサイズもの』が隠せる場所があるのは不思議に思えてしまった。閉じ込められる物語……かなと思ったけど、無難に脱出。
銭天堂の勝ち。

『最後にわら麩』
勝負に勝ちたくて「最後にわら麩」を買った老人の話。「最後にわら麩」では満足できずに「負け知らずアンズ」も買う……珍しく二つ商品を買う物語だった。
でも、最後は『絶対勝つことはつまらない』と気が付く。個人的には、「勝たないものを趣味にしたらいいのに」と思ってしまった。小説や絵を描いたり、音楽をやってみたり、勝負ではない趣味もある。
引き分け。

『ハンターバターサンド』
『強欲アンコ』と『ハンターバターサンド』のうち、『ハンターバターサンド』を選ぶ男の子の話。ハンターの能力を使って虫取りをする。
嫌がらせをしてきた子を助ける子どもらしい物語でスッとする。
銭天堂の勝ち。

『ある日の銭天堂』
ちょっとした雑談の短い物語。

『シェフ・ショコラ』
料理が下手な母親にシェフ・ショコラを食べさせる話。
これは……どこから突っ込んだらいいのかなと思ってしまった。過激でわかりやすいキャラにしたせいで『児童虐待』で児相通報一択だよなと思いながら、読む羽目に。
問題は料理下手ではなくて母親の性格だったと最後に気が付く話だけど、最初から性格が危険すぎて、むしろ父親はなんでこんな女と結婚したのか……と思ってしまう。
天獄園の勝ち。

『おもてナシ』
『らくらくがん』と『おもてナシ』の二つをお勧めされて、『おもてナシ』を選ぶタクシー―運転手の話。おもてなし上手になったために、犯罪に加担することになって終わる。
物語のオチが面白いと思った。
天獄園の勝ち。

『餓鬼ニョッキ』
餓鬼ニョッキを部員に食べさせたせいで、団結できなくなったと思っているキャプテンが銭天堂で『団結ナッツ』と『王メン』を勧められる。けれど、『餓鬼ニョッキ』の効果を消すことを望んだので、井戸水を貰って帰る話。
何も売ってない……珍しい話。
引き分け。


勝負は二勝二敗二引き分け。
二つのお菓子が出てくるのは楽しかった。


『銭天堂7』