ふしぎ駄菓子屋 銭天堂9 – 2018/4/23 廣嶋玲子 (著), jyajya (イラスト)
「銭天堂9 作:廣嶋玲子 絵:jyajya」を読んでみた。
一休みの旅行の話。銭天堂で売るのではなくて、旅先で出会った人たちにアイテムを渡す。
『酔わんようかん』
新幹線で乗り物酔いをしていた女性に『酔わんようかん』を渡す話。
大人な話なので、乗り物でお酒を飲んでしまって……というオチだった。年齢書いてなかったら、19歳ぐらいでは?と思ってしまうところ。
『肩こり地蔵まんじゅう』
おじいちゃんの持っていた『肩こり地蔵まんじゅう』の力を孫に移す話。
アイテムが昔話の中だけで語られている。珍しいお話だなと思った。ただ、お孫さんは12歳……児童労働?? 年齢をもう少し……せめて高校生くらいだったら安心して読めそう。
そして、お菓子の力頼みだと結局、お孫さんが死んだら温泉は立ち行かなくなるのではと思う。
『写らんシール』
人が写真に写らなくなる『写らんシール』で風景写真を撮りまくる男性の話。
シールを一度剥がすと幽霊に取りつかれる……って面白いなと思う。これ、逆にして『幽霊を撮りたい人は一度剥がしてからまたカメラにシールを付ける』という事も出来てしまう。心霊写真撮り放題と思ってしまった。
『底なしイ~カ』
おかみの紅子を脅して、お菓子『底なしイ~カ』を手に入れた男の子の話。
噛まずに食べると、イカが暴走して底なしのお腹になる……というホラーな話だけど。これ、最後はどうなるんだろ。食べ続けないと飢餓感が消えないままなのは、親が困るだろうなと思ってしまった。こういうのは強制入院なのかな。
そして、少し気になった部分。『木や花が植わっていた。』81p
おかしな文章ではないけど、『植えてあった』でも充分通じそうだし、ここまで簡単な表現だったのになぜここは、こうなのかなと思ってしまった。
『カモメアメ』
一緒に釣りをして楽しんだ男性が『カモメアメ』を見つけてカモメになる話。
少し切ないなと思った。アニメも切ない感じだったけど、こういう感じの話は銭天堂では珍しいのでアニメも覚えてる。個人的に好きな話。
『アイディアあんこ』
お菓子のアイディアを浮かばせるために兄に食べさせようと『アイディアあんこ』を貰う話。
旅行のお土産を買うという紅子が立ち寄った店の話。でも、アイディアあんこは別の人に食べられてしまって……。
最後までしっかり旅行話なのは楽しかった。
ところで、なぜかこの9巻。紅子の描写がチクチクしてしまった。一巻を読んだ時みたいに引っかかってしまう。「若い」「しみしわがない」etc。この表現がなくなるのは何巻だろうなと思う。
ごちそうさまでした。