編集

「小泉八雲のこわ~い話6 死骸にまたがった男」を読んで

2025/12/21

怪談小泉八雲のこわ~い話 (6) 単行本 – 2009/8/1 小泉 八雲 (原著), 高村 忠範 (著)
怪談 小泉八雲のこわ~い話 死骸にまたがった男・その他四編 (6)

「小泉八雲のこわ~い話6 死骸にまたがった男 原作:小泉八雲 絵・文:高村忠範」を読んでみた。

5編の話。覚えのない話が多い。そして、お話が多いとお得に感じる。

・死骸にまたがった男
離縁した妻が夫を恨んで死んでしまう話。男は妻に呪い殺されないように陰陽師に頼むと、死骸にまたがれと言われ、そうする。死骸の髪を掴み、恐ろしい夜を過ごす。

呪い封じみたいな感じなのかな。よくある怪談ものだけど、知らない話だった。

・鳥取のふとんの話
「あにさん、寒かろう」「おまえ、寒かろう」という声が蒲団から聞こえる話。
貧しい子どもたちから蒲団を取り上げた大家ではなくて、布団に幽霊がつくのは少し不思議。

・黒い手(「因果話」より)
病に伏した妻が次の妻になると思った女の胸にしがみついて死後も離れない話。

その女でないなら、別の女を妻にするだけだよねと思ってしまう私は薄情者。こういう怪談は、なぜ、男を連れて行くのではなくて、女を恨むのかと思ってしまう。

・猫を描いた少年
病弱で農家になれない男の子がお寺に預けられて、ネコを描く話。
寺からも追い出されて、隣村の寺に行くとそこは化け物の住む寺になっている。男の子はそれを知らずにネコを描き、ネコたちがネズミを退治してくれる。

怪談なのかな。男の子は有名な絵師になると続くから成長譚かな。

・帰ってきた死者
戦に行ってしまった男を待ち続けて娘が亡くなる話。その後、男が帰って来ると娘が現れて、二人で別の場所に暮らす。やがて娘の親とも会うことが出来たが、娘は実は死んでいたことを男は知る。

ちょっとややこしい。死んでいるのに子供まで出来るってどうやったのと突っ込むのは野暮だよね。でも、一瞬どっちも死んでる可能性も頭をかすめた。

知らないお話がほとんどで楽しめた。

ごちそうさまでした。


小泉八雲のこわ~い話6 死骸にまたがった男


小泉八雲のこわ~い話感想
「小泉八雲のこわ~い話1 耳なし芳一・ろくろ首」を読んで
「小泉八雲のこわ~い話2 食人鬼」を読んで
「小泉八雲のこわ~い話3 幽霊滝の伝説」を読んで
「小泉八雲のこわ~い話4 破られた約束」を読んで
「小泉八雲のこわ~い話5 雪女」を読んで
「小泉八雲のこわ~い話6 死骸にまたがった男」を読んで
「小泉八雲のこわ~い話7 亡霊」を読んで
「小泉八雲のこわ~い話8 化け蜘蛛」を読んで
「小泉八雲のこわ~い話9 死者の影」を読んで
「小泉八雲のこわ~い話10 おしどり」を読んで
「『怪談』をかいたイギリス人 小泉八雲」を読んで