若おかみは小学生! 花の湯温泉ストーリー(1) (講談社青い鳥文庫)
– 2003/4/15 令丈 ヒロ子 (著), 亜沙美 (イラスト)
「若おかみは小学生! 作:令丈ヒロ子 絵:亜沙美」を読んで
アニメにもなっている作品を読んでみた。実はこれ、タイトルを見た時はアダルトゲームか何かを子供向けアニメにでもしたのかと思ってしまった。……余計な知識は邪推を産む。
内容は児童書。
小公女を思い出しそうな感じだなと思ったけど、もっとカジュアルでもっとシビアだった。
両親を亡くしたおっこ(織子)が春の屋旅館の祖母の元に引き取られる話。
そこで、幽霊のウリ坊に「旅館を立て直しておかみになれ」と言われ、不意な事から祖母やライバル旅館の前で「若おかみになる宣言」をしてしまい、奮闘する。
アニメの他の人の感想でもあったけど、子供に仕事させるなよ……と突っ込みたい。仮にさせるとしても「出来る範囲のお手伝い」であって、寝不足になるほど頑張らせる必要はない。現おかみの祖母はなにしてるんだという話になってしまう。(祖母は過労で倒れている)
都合がよすぎると思う点はあるけど、物語の範囲内なので突くのも野暮。
私が知りたかったのは、作者の意図は何なのかという事。
後書きを読んで理解した。そこまで考えていないという事を。子供がお仕事に励んだら面白そうだと思ったのかなと。両親が死んでいるのは、動機付けのためなのだろうけど、そのために「両親がいないのだから旅館で生きていくしか道がない」という逃げ場のない設定になっていて、祖母が酷い人間に見えてしまう。別に祖母は強制していないけど、おっこのおかみになる宣言をそのまま受け入れてるのは、大人としてどうなのだろうか。
登場人物全て「小学生」と思って読めば、読める。祖母も祖母と言う設定の「小学生の経験値しかないキャラクター」
アニメも散々な感想を持ったけど、小説にはまた別の事が書かれているかも……と期待して読んだのが間違いだったかもしれない。小説もアニメと同じく、キャラクターが小学生。
小学生向けだから、そう書いても小学生読者は気が付かないだろうけど、大人が読むとキツイ。大人の責任放棄なのか……でも、時代かなと思って何とか飲み込む。これ、スマホが出て来たりしたら現代に近くなるので、児童虐待……と思ってしまいそう。
とりあえず、一巻だけを読んだ感想。この後もあと数冊だけ読んでみる予定だけど、感想が変わらないなら新たに感想を書く事はしない。