あの子の秘密 (フレーベル館 文学の森) – 2019/12/6 村上雅郁 (著), カシワイ (イラスト)
「あの子の秘密 作：村上雅郁 絵：カシワイ」を読んでみた。
見えないお友達を持っている『小夜子』と人の心が読める『明來』の友情物語。ほのぼのしてキュンキュンして楽しかった。
でも小夜子のしりとりで出てくる言葉『臨床心理』や『量子物理』って本から獲得したの？どんな本を読んでるの？と思ってしまった。この言葉を知っていて『イマジナリーフレンド』は知らないというのも……なんていうか、知識としてアンバランスな気もした。
それとも辞書から引っ張り出して来ただけの言葉なのかな。うーん。
そして、転校初日の明來の『後輩』『先輩』とランドセルの子どもに思いをはせるシーン……。小学生だよね？先輩後輩って、どこで使うの？そういう学校もあるの？それとも部活動みたいなものがあって、そういう場所にいたの？と色々考えてしまった。
小学生の先輩後輩呼びは……兄姉がいてみたいな場合でも考えられるけど、明來は一人っ子みたいだし、そういう方向からではない。元気キャラだから先輩後輩という言葉を選んだだけ？アニメの影響？
キャラと選択してる言葉のズレが少し気になった。
物語は小夜子と明來の友情がメイン。人を拒絶する小夜子ちゃんをどうやって明來が落とすかという展開がワクワクした。鍵になるキャラクター黒猫の謎も引き込まれて読んでしまった。最後まで『夢』と『現実』のどちらに着地させるのかわからなかった。どっちでもアリな感じの話に見えたから。最後までファンタジックでファンタジーだけど、私はこういう話が好き。
天然の優歌ちゃんに、クラスの中心にいる美咲ちゃん。しっかり者の巴ちゃん……とキャラたちも多彩。美咲ちゃんのひきこもりのお兄ちゃんもいい場面をかっさらっている感じが好き。いきなり出てきて、重大なヒントをポンと置いてくキャラってズルくてかっこいい。
どの子も一癖ありそうなのに、実はいい子たちばかりな物語。……読んでて楽しいし、ほわほわする。選んでよかった。
ごちそうさまでした。