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絵本「えほん遠野物語 しびと」を読んで

2025/05/18

しびと (えほん遠野物語 第三期)  – 2021/11/1 京極夏彦 (著), 阿部海太 (イラスト)
えほん遠野物語 しびと

「えほん遠野物語 しびと 原作:柳田邦男 文:京極夏彦 絵:阿部海太」を読んでみた。

白い背景にぼやけた人の絵の表紙。なんともいえない不気味さがいい。
一つ目はお葬式でおばあさんが帰ってくる話。
二つ目は死んだ父親が娘を迎えに返ってくる話。

読んでいるだけで怖い。幽霊のようなぼんやりしたものではなくて、もっと実態を持った姿で書かれていて、一つ目のおばあさんは『裾が横に置いてあった炭取りに引っかかった。』とあるし、二つ目では『二階の壁にとりついて、恨みがましく娘をにらんでいたという。』と、物体に影響を与えているようなことまで書かれている。

出てくる理由もよくわからないので、それがさらに怖い。そこについている絵も恐怖をそそる。

夏の夜にふさわしい一冊。
ごちそうさまでした。


絵本『しびと