セロ弾きのゴーシュ (日本の童話名作選) – 1998/12/10
宮沢 賢治 (著), 赤羽 末吉 (イラスト)
絵本「セロ弾きのゴーシュ 作:宮沢賢治 絵:赤羽末吉」を読んでみた。
図書館にはもう一冊、絵の可愛い絵本もあった。でも、私は絵にかわいらしさを求めてるわけではないので、こちらで。渋い感じがいいなと思ってしまった。
タイトルは何かで見たことがあるけど、読むのは初めて。
セロ弾きのゴーシュは、ヘタクソな演奏だと言われて家で必死に練習する。その間に動物たちがやってきて、あれこれと頼みごとをしてくる。いやいや、それに応えていたのに、十日後の音楽会では素晴らしい出来に仕上がっている。
という話だった。
動物たちの頼みごとが突飛でよくわからないけど、それが面白い。ゴーシュは意地悪にも見えるけど、彼らの頼みは聞いてあげている。この意地悪なのか優しいのかわからないのもいいなと思う。たばこが出てくるのも時代だなぁと。
『その晩遅くゴーシュは何か巨(おお)きな黒いものをしょって、じぶんの家へ帰ってきました。』8p
この表現も実際にはセロなのはわかるけど、ゴーシュの心境を思うと『下手な自分はダメだと打ちのめされた心』にも思えて、絶妙な表現だなと思う。
この後も動物たちが出てきたら、どんなお話になったのだろうと、続きを考えてしまう物語。いろいろな読み方が出来そう。
ごちそうさまでした。