ぼくは川のように話す – 2021/7/12
ジョーダン・スコット (著), シドニー・スミス (イラスト), 原田 勝 (翻訳)
絵本「ぼくは川のように話す 文:ジョーダン・スコット 絵:シドニー・スミス」を読んでみた。
最初はよくわからなかった。でも徐々に、これが『どもり』を表す表現なのだとわかった。
上手く言えなくて、つっかえて、言葉が出てこなくて、その苦しみを書いてある絵本。
でも、父親が川に連れて行ってくれる。川は渦巻いたり、ぶつかったりしながら、音をいくつも重ねている時もある。常に真っすぐに流れていく川だけではない。言葉も同じだと伝えてくれる。
すごい。その『自然』の考えはとても、自然だなと思った。『すらすらと喋れる』ことが自然だと思いがちだけど、『自然』ってそんなすらすらとうまくいかない。ぶつかって、砕けて、時には渦巻いて、沈み込んで、いろんな姿が『自然』の中にある。その中のひとつに『どもり』もある。そういうことを伝える本。
でもこれ、どもり(吃音)だけじゃなくて、他のいろんな事にも応用できそう。発達障害と言われてる人たちの『自然』とは違うと言われている言動や行動の大半もこの物語の中に入り込めそう。でも……単に『社会が求める能力』のレベルが高すぎるだけという話なわけでもあるけど。
絵も良かった。川の音を聞く少年の顔の絵の中で、あの耳の光の透き通った感じが好み。川の絵も変化がわかりやすくて素敵。
川に例えてあるのよかったな。楽しかった。
ごちそうさまでした。