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「場面設定類語辞典」を読んで

2024/02/20

場面設定類語辞典 単行本(ソフトカバー) – 2017/4/25
 アンジェラ・アッカーマン (著), ベッカ・パグリッシ (著),
小山健 (イラスト), 滝本杏奈 (翻訳)

「場面設定類語辞典」を読んでみた。

シリーズ4冊目。5冊の中で一番、分厚い。郊外と都市に分かれている。
郊外編
・感情的なつながりを生み出す設定の作り方
・葛藤を生み出す手段としての設定
・雰囲気を構築する手段としての設定
・物語を誘導する手段としての設定
・設定を深めるための比喩的な言葉
・設定によくある落とし穴
・郊外の設定について考慮すべきこと


郊外の設定の説明には植物・動物などのリサーチをした方がいいとある。それはそうなのだが、読んでいて思うのだけど『花の名前を言われてもよくわからない』
読者が花を知っていたらイメージが出来るけど、知らなければ『イメージが出来ない』なので結局、『黄色いたんぽぽの花』など色の説明を入れつつ書く羽目になるような気がする。
海外作品の植物は特に、リラの花と言われても……みたいな気持ちになる。花の色の説明があればいい方だなと。ファンタジー物で『実在しない植物の名前』が出てきて、説明を加えてある方がまだ分かる。
たぶんこういうのは、その地域で馴染みのある花ならば読者にも届きやすいけど、その地域を出てしまうと……結局どんな花?になるような。
だから、植物のリサーチは『名前』だけではなくて、花や植物の形状の説明ができるレベルだと遠くまで届きそうとは思う。


少し話がズレるけど、この間読んだファンタジー物は畑をやっている農民が山に行って『空気が綺麗で気持ちいい』と言っていて、こけそうになった。
機械文明がそこまで発達している世界観でもなかったのに、畑のある場所から木の茂る場所に来ただけで『空気が綺麗』なわけないだろうが。何が『空気を汚しているのか』と考えてしまったが、その後も空気を汚す原因は書かれずじまい。
おそらく『山は空気が綺麗で気持ちいいもの』という作者の思い込みで書いたのだろうけど、それは作者の世界観で物語の世界観じゃないからね。混ぜるな危険です。

私も気をつけようと思う。

都市編
・「設定など誰も気にしない」という大きな誤解
・登場人物を特徴づける手段としての設定
・設定で考慮すべき「場所」の重要性
・背景を伝える役割としての設定
・感覚のデティール、設定における最上級の宝石
・都市の建造物:実在の場所を起用することの良い点・悪い点
・設定によくある落とし穴
・そのほか「都市」の設定について考慮すべきこと

この説明の中にも書きすぎ注意とある。物語ではなくて『言葉』に注意が行ってしまっては本末転倒。
言葉を書きたいなら詩を書いた方がいいのかもしれない。物事のバランスは個人の感性次第だろうけど、物語の邪魔になるなら言葉は削った方がいいんだろうなとは思う。

推敲して文章を弄ってると最終的に『同じことを別の言葉でまた書いている』状態にもなるので、そういうのも気を付けたい。

自然よりも、『人工物』が多い場所なので好きに書けるのもいい点なのかな。ただ、事例が海外だな……と思うものも多いので、この辺りは日本に置きかえて自力で『神社』や『寺』などの項目を作ってみるのも面白いかもとは思う。
学校も日本のものとは違うので、自力で項目を作り直した方がいいかも。
基本、『海外』をベースにした情報なので、日本を舞台にすると使いづらいかなとは思うけど、逆に言えば『海外』はこうなのだなと知ることも出来るのでいい。

そういう視野の広げ方もあると思う。


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