幸せを呼ぶユニコーンの見つけ方 単行本
– 2019/1/15 ジュールズ・テイラー (著),
たけいみき (イラスト), 倉田真木 (翻訳), 山藤奈穂子 (翻訳)
「幸せを呼ぶ ユニコーンの見つけ方」を読んでみた。
これも妹が借りてきたもの。表紙が可愛くて借りたのだとか。確かに表紙は可愛い。そして、中身も可愛いイラストが満載。
内容はかなりスピリチュアル寄りで、人を選びそうだなと思う。スピリチュアルな話が好きな人は刺さりそう。
……。
スピリチュアルは嫌いではないが、正直、『想えば叶う』というような話はもう要らないなと私は思っている。もう一歩でいいので、現実的な話が欲しい。
寝る前に考えていたら、見たい夢を見る事が出来る……というのも、他の本で読んだことがある。イメージや瞑想でユニコーンに会えるというのも……イメージでいいなら、なんとでもなるので『それが本当にこの本に書いてあるユニコーンなのか?』と思ってしまう。
簡単に会えないと書いてあるユニコーンが『イメージするだけで会える』と書いてある。
これでは簡単に会えてしまう。もっと細部まで、匂い質感温度鳴き声まで、イメージしろという事だろうか……それすら、難なくクリアできてしまう。
さて、そこでイメージ出来てしまうという事は『ユニコーンに出会えてる』という事になるのだろうか?
イメージ以外のもっと実感ある『ユニコーンが実在する印』として、幸福感というようなものもある。それもイメージでクリアできてしまう。
では、それが何の役に立つのかと考えると、何の役にも立たない。
一時的な幸福感のイメージが、日々の欝々とした感覚を消し去ってくれるわけではなく、欝々とした感覚はそのままそこに転がっている。
現実問題は何一つクリアしない。
ふんわりした言葉は何の役にも立たないと思ってしまっているから、そう読んでしまう……というのは分かっている。本の中身は『そんな世界もあるんだな』と切り離して読むのがいい。
と思っていたが、最後の最後で
「障害ではなく『課題』、問題ではなく『試練』と考えた方がいい」という一文があって、そんな言葉遊び要らないし、そこは当事者が決めるべきものではないのかと思った。障害は障害だし、問題は問題だ。
試練も課題も『乗り越えるモノ』のようなイメージしかないので、そう思うのかもしれない。それまでの『ほんわか世界』が急激に人間臭い世界に見えてしまった。
ほんわか世界の言葉をつづるなら、最後までその世界観を保ってほしい。
イラストは可愛くて好き。
でも、現実感はゼロ。イメージは現実にはならないと信じてる私には何も掴めなかった。