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某文学賞の感想。

2024/01/13

今年も読んでみた。
……何だか、つまらないなと思った。
読み始めて今年で3年目。いつもは『よく分からない』と思いつつも、なるほどなぁと思えるものが入っていた。今年は、わかるケド、つまらない。分かってしまう事が『つまらない』と感じる。


1つめ「きぼう」
外国人児童の学習支援の先生の話。
増える外国人児童の話は耳にする。でも、それはそれで、主人公の日常が淡々と書かれる。
短編なので、そんなに壮大な話になるわけがないのだけど……なんか、日常なのでつまらない。児童との交流が主題なわけではなくて、『多様な人種の中の自分』みたいな?
『加齢の波に逆らえない』みたいな微妙な部分も描かれてるけど、なんか……だから何?みたいな気分になる。
いや。肌の艶が無くなったから何?それが、男が逃げた理由で描かれているなら、そんな男なんていらないだろという気分になる。
ちらほらと出てくる男(昔の男)の影と、未来の象徴みたいな外国人児童。
個人的には『イラッと』しかしない。今の主人公には『何もない』
たぶん、小説としては綺麗なまとまりなのだと思う。けど、個人的には『イラッと』する物語。



2つめ「恵子という名前の女」
老女と息子のお話し。歳を取った息子を可愛がりながらも、我を貫く老女。
ふふふっと笑えて、あるあると思えてしまうのは、私が帰省するたびに『大量の食事を用意する親』の姿を知っているから。
親って子供に食べてほしいんですよね……うん。分かる。私もあの頃は頑張った(遠い目
それでいて、ちゃんと自分の要求も子供に押し付ける……うん。分かる。と頷いてしまう。
そして、親の生年月日が分からない……というのも、分かる。今は考えればわかるケド、意外と親の『生まれ年』って知る事が無い。月日は答えられても、年は私も最近やっと覚えた。と言う感じで、頷きながら読んでしまった。
主人公は男性だけれども、親子関係親戚関係の話なので、頷くしかないという物語。


3つめ「家内不安全」
ひきこもりの話。
これは……なんか、頷ける部分とううーんという部分が半々。
『お守り』と『玉暖簾』がいい味を出していると思った。繰り返し出てくると、嫌でも頭に残る。
子どもが素直で、率直なのは『らしい』けれども、小学生の幅って広いなと思うので、『どの学年として読めばいいのか』に悩む。
話し方、態度から高学年でいいんだろうなとも思うケド、素直過ぎない?とも。
お守りを作って、食べて、バスケして、お守りを作ってと言う事しか書かれてないので、部屋で何をしているのかが見えない。
……本当に寝てるだけ? パソコンあり? なし? スマホは? と色々と疑問が湧く。
ニュースに興味が無いのは判るケド、部屋に籠ってお守りを作るだけって、それ、死ぬから。
人って何か一つで良いから『興味がある事』がないと引きこもってられないと思う。
ゲームでも漫画でも何でもいいから、そんな趣味の断片が見えたらいいのに、部屋でやることはお守りを作る事だけ……。
正しい『ひきこもり』の姿を見せられているようで、痛々しい。

短編だから削除した……のかもしれないけど、あまりにもきれいに消え去っていて、人間っぽくない。



今回のはどれも『現代』なのが、ますます、つまらない。
去年もその前も、戦争時代の話が一つは入っていて、それが面白かった。身近な話は共感しやすいけど、つまらない。


男性の物語を読みたいとも思う。
女性は確かに『肌の艶』『口臭』『体毛』などを気にするし、それを指摘されると傷つく。
男性は何に傷つくの? 同じ? 肌の艶って気になる? 口臭も気にしてる? 体毛が伸びてたら、指摘される?
なんか、女性の物語が2つも占めていて、分かるケド……体毛・肌の艶は文化的なものだよなぁと思うと萎える。


個人的感想です。


2019年某文学賞
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2024年某文学賞