ことりぞ (京極夏彦の妖怪えほん5) – 2015/3/2
京極 夏彦 (著), 東 雅夫 (編集), 山科 理絵 (イラスト)
絵本「ことりぞ 作:京極夏彦 絵:山科理絵 編:東雅夫」を読んでみた。
お面をかぶっている少女があちこちに行き、不思議なものに出会い慌ててお家に帰る物語。
表紙のお面の少女が妖に見えたし、この子がなにかをするのかなと思ったら、何も起きない。何も起きないけど、恐怖だけがじわりじわりと迫ってくる。淡々とした文章と、淡々とした絵。お面の少女への違和感もこの後に期待してしまう要素。
けれど、『なにもない』
そこに、手先だけが伸びてきて、少女の仮面をはぎ取っていく。少女は怖くなり逃げ帰る。
この手が何だったのかは語られない。何も語られないのでよくわからない『恐怖』だけが残される。
思わせぶりなものしかないし、そのまま読めば、なにこれ?なのだけど『仮面』に期待してしまった私は怖いと思った。ちょうどいい「わからなさ」を突いてくる恐怖がいいな。
妖怪えほん、こわかった。
ごちそうさまでした。
絵本『ことりぞ』
絵本「うぶめ 妖怪えほん1」を読んで
絵本「つくもがみ 妖怪えほん2」を読んで
絵本「あずきとぎ 妖怪えほん3」を読んで
絵本「とうふこぞう 妖怪えほん4」を読んで
絵本「ことりぞ 妖怪えほん5」を読んで