少年・卵 単行本 – 2011/11/1 谷山 浩子 (著)
「少年・卵 作:谷山浩子 絵:宮崎照代」を読んでみた。
最初は小さな事件に見えていたけど、徐々に話が大きくなり最後にはひっくり返ってしまった物語。『まっくら森の歌』の人だなぁと思ってしまった。
ワクワクドキドキしながら読んでいたら、最後にひっくり返って『卵』になる。タイトルがこんな形で回収されていくなんて……ここまで出てこなかった『卵』が最後に出てくるなんて、こんなのあり?
主人公の『鳥子』が最初は『息子』に見えてた。女の子の名前。女の子の名前『トリコ』とインプットしながら読んでしまったけど、意外と『息子(少年)』でも間違いではなかったみたいだなと最後まで読んで思った。
そして、この時代……昭和は『土曜授業がある』というのも思い出した。学校に行って次の日が『日曜日だから休み』。時代を感じてしまった。他にも連絡手段は『電話』か『直接家まで行く』しかないというシーンも。現代だと『LINE(アプリ)』が出てきそう。
若干の時代の古さはあるけど、物語は楽しく、テンポよく展開していく。
物語は、朝也先輩の様子がおかしくなったことから始まる。学校に来なくなった朝也が気になり鳥子は先輩の家に行く。そこには、先輩の家族と他に数人の人が一人の少年を見ながら笑っていた。異様な光景に先輩の家から逃げ出す鳥子はハンバラン博士に出会う。
そして、ハンバラン博士から先輩の家族の話を聞く。それはとても異様なもので……。
最終的に博士の説明も読んできた物語も全てクルリと反転してしまうので、理解が追い付かない。最終的に問答になってるような気がするので、説明臭くも感じる。その部分は若干引っかかったけど、全体的には好きな物語。
ごちそうさまでした。
『少年・卵』
谷山浩子作品感想
「谷山浩子童話館」を読んで
「四十七秒の恋物語」を読んで
「少年・卵」を読んで
「お昼寝宮 お散歩宮」を読んで