四十七秒の恋物語 単行本 – 1994/4/1 谷山 浩子 (著)
「四十七秒の恋物語 作:谷山浩子 絵:早川司寿乃」を読んでみた。
『谷山浩子童話館』に入ってた物語+4作品の追加の本。
10篇は童話館と同じだったけど、イラストが違う。こちらはこちらで文字が大きめで新しいイラストが楽しめる。さらにあとがきも新しく書き直されていて、いくつかの作品に関するエピソードを知ることが出来る。
・水の底
川を渡る音楽のお話。
・ガラストマト
ガラストマト……あとがきのエピソードに驚いた。その喫茶店、今もあるの?
・帰らない男
あとがきに『正直に書いてある作品』となってた。おかげで、わかりやすくて共感しやすい。私もこの話が一番好き。でも、心が抉られる。
・手のひらの魔法
これもあとがきにエピソードが……。手のひらに何が見える?と大学院生と一緒に空想していたと。……中学生が大学院生とお散歩するなんて出来るのだろうか。古き良き時代だったから出来た事?それとも、親も知ってる人だからOKだった?現代ではちょっと引っかかってしまう。
・祈る人
宗教の名前が面白いお話。
・マリンコング
キングコングになるお話。
・花おじさんの家
おじさんの家で言葉がわからなくなるお話。
・ピアノ
ピアノの中にいろんな風景を見るお話。
・青い花電車
青い花電車が真夜中に通り過ぎていくお話。
・FLYING MU
これもあとがきにエピソードがあったけど……独特すぎる世界観。恋人よりも遮断機のシグナルを求めてる。
・四十七秒の恋物語
「月の光」と「つぶつぶのつぶやき(サイダア)」の恋物語。短くて、言葉遊びのようで楽しい。
・魔女
・影の魔法
ファンタジックな短い詩。
・灰色の瞳
家の中でだけ過ごす妻のお話。扉を開けて外を見た妻は夫の姿を見ることが出来なくなっていた。そして、黒い瞳も灰色へ……夫は妻のために船を作り送り出す。
ファンタジックに見えたけど、これって死の話っぽい気が。短く切り上げてるから、どう読めばいいのかわからない。死でいいのだろうか。
こちらも挿絵が入っているけれど、少ない。青い花電車の挿絵が、物語に合わせて『ラクダ2頭』だった。童話館の挿絵は『一頭のラクダに王子様とお姫様』の絵だったので、ちゃんと合ってると思ってしまった。
全部素敵なファンタジックで独特な世界。恋物語は『言葉遊び』な感じで楽しかった。
ごちそうさまでした。
『四十七秒の恋物語』
谷山浩子作品感想
「谷山浩子童話館」を読んで
「四十七秒の恋物語」を読んで
「少年・卵」を読んで
「お昼寝宮 お散歩宮」を読んで