[現代版]絵本 御伽草子 鉢かづき 単行本 – 2015/12/10 青山 七恵 (著), 庄野 ナホコ (著)
絵本「鉢かづき 絵本御伽草子 文:青山七恵 絵:庄野ナホコ」を読んでみた。
絵本御伽草子、三冊目。『象の草紙』と『付喪神』よりは原典も物語もわかりやすかった。日本昔話のアニメで見ていたせいもある。事前情報があると読みやすくなる。
母親が娘の将来を心配するあまり、娘に鉢をかぶせて亡くなる。取ることが出来ず、そのまま過ごすことになったが、新しい母親から疎まれ、娘は家を追い出されてしまう。
しばらく楽しく野原を走り回っていたけれど、中将の家で働くことになりそこの息子に見初められる。中将の家のものたちの反対にあうが、最後は鉢が割れて顔が見え、鉢の中には母親が隠した財産も入っていて、二人の仲は認められて仲良く暮らす。という物語。
物語は読みやすい。一番驚いたのは鉢かづきのキャラの性格が野性味あふれすぎてて、口が悪い。宰相の君は鉢かづきに一方的に惚れる気持ち悪いキャラで、それをうんざりとした視線で眺める鉢かづき……シュールすぎる。
この状況でどう二人が結ばれるんだ?と思ってたら、鉢かづきが宰相の君を可哀そうに思ってしまって流されるままに結ばれる運命になった。物語としてこれはアリなの?なんていうか、現実感あふれる物語だなと思ってしまった。
原典も載っていたけど、長い……。本が全40ページ。原典が30ページから。四分の一が原典。でも、物語のあらすじはわかっているので、そこまで難しくはない。
大人の絵本とはいえ、恋愛系の物語が『なんとなく結ばれました』という流れになるのは面白いなと思ってしまった。これぞ大人の絵本(?)
ごちそうさまでした。
絵本『鉢かづき』