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絵本「付喪神 絵本御伽草子」を読んで

2025/05/20

[現代版]絵本 御伽草子 付喪神 単行本 – 2015/10/8 町田 康 (著), 石黒 亜矢子 (著)
[現代版]絵本 御伽草子 付喪神

絵本「付喪神 絵本御伽草子 文:町田康 絵:石黒亜矢子」を読んでみた。

これも難しいのかなと身構えてしまったけど、『象の草紙』よりも簡単な言葉で書いてあって、読みやすかった。セリフ中心で軽くポンポンと弾むように読める。リズム感が楽しい。

長く使われていた道具が物の怪になるまえに捨てられていく。それに怒った道具たちが人間を襲うようになる。でも、一部の道具は人間になろうとして他の道具たちと別れた。人間たちは物の怪たちの有様に困り、坊さんに解決を頼む。それが実は『人間になろうとしていた道具たち』……。最終的には、物の怪として暴れ回る道具たちと、人間になろうとした道具たちの対立になり、お互いを潰し合う。という物語。

この道具たちの対立や、人間たちの滑稽さがコミカルに描かれていて読んでいて楽しかった。なぜか『ビームを出す』という特殊技を身につける物の怪たちも面白い。

この本も最後に原典が載っている。原典は難しいけど、物語を読んだ後ならなんとか読めた。

イラストも妖怪(……物の怪?)が古い感じで描かれていて、見ているだけで楽しい。そして古い時代にそぐわない『ビーム』というアイテムもちゃんとイラストになっていた……。この違和感がじわじわ来る。少々、グロテスク(目玉や脳)と思われる絵も混ざっているけれど、大人向けの本なので大丈夫な範囲だと思う。苦手な人は注意。

大人の絵本、楽しかった。ごちそうさまでした。

絵本『付喪神


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