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「さいはての島へ ゲド戦記Ⅲ」を読んで

2025/05/24

さいはての島へ: ゲド戦記 3 (岩波少年文庫 590 ゲド戦記 3) 単行本 – 2009/2/17
アーシュラ・K. ル=グウィン (著), ゲイル・ギャラティ (イラスト),

さいはての島へ ゲド戦記 3 (岩波少年文庫 590)

「さいはての島へ ゲド戦記Ⅲ 作:ル・グウィン 訳:清水真砂子」を読んでみた。

三部作ということで、たぶんこれでいったん終了……のつもりで書いてあるんだろうなと思う。どうしよう。とてもがっかりしてる私がいる。でも、一旦それは捨てて感想を書く。

物語は、アレンとゲドが『アースシーで起きている異変』を突き止めるためにあちこちを旅することで進んでいく。歳をとったゲドのセリフが脳内で『ダンブルドアの声』で再生されてしまう。この年齢設定の男性でこの口調だとみんな『ダンブルドアの声』になるけど、ゲドもそれだった。

目次ごとの物語
1 ナナカマド
エンラッドの王子アレンがエンラッドで起きた異変を大賢人になったゲドに伝える。
2 ロークの長達
長達と大賢人たちとの話し合いで、ゲドはアレンを連れて旅に出ることが決まる。
3 ホート・タウン
ホート・タウンで色々と話を聞くうちに、海賊の風の司をしていたという男に出会う。ゲドたちは彼から話を聞こうとするが、力を失ったという事しか聞きだせない。
4 魔法の灯
アレンが気が付くと奴隷船に乗せられていた。ゲドが慌てて助け出す。
5 海原の夢
夢の話から、死者を連れ戻していた男の話になる。
6 ローバネリー
ローバーネリーでもホート・タウンと同じく魔法が消え、職人の技術すらも消えて行っていた。元職人であるソプリがゲドたちについていくという。
7 狂人
オブホルの島に上陸しようとすると、槍で攻撃されゲドは大けがを負う。ソプリは海に沈み、アレンは気落ちしてやる気をなくす。
8 外海の子ら
気が付くといかだに助けられていた。彼らは海に住み、いかだの上で暮らす。ゲドたちは怪我が治るまでそこに留まる。
9 オーム・エンバー
夏至の祭りの日、吟遊詩人たちは歌を忘れてしまう。異変が外海にまで影響を及ぼしていることを知り、ゲドたちは愕然とする。そこに竜のオーム・エンバーがゲドに助けを求めてやってくる。
10 竜の道
ゲドたちは竜の住む島エンダーへと向かう。その途中の竜の道でも竜たちに会うが、彼らは言葉を失くしていた。
11 セリダー
オーム・エンバーが死者と生者の国を行き来している男の話をする。セリダーにその男がいるということで、ゲドたちは探し始める。
12 黄泉の国で
男に出会い黄泉の国まで追いかけて、ゲドたちは男が開いた生者と死者の世界の間の通路を閉じる。死者の世界から帰る力すら残っていなかったゲドを背負ってアレンは黒い山を越える。
13 苦しみの石
生者の世界に戻ってきた二人は竜の背中に乗って、ロークに戻る。

あちこちの島を巡り、アレンとゲドの敬愛と尊敬が徐々に深まっていき、世界の謎が徐々に解き明かされていく。というのはワクワクするのだろうなと思いながら読んだ。

私、こういう物語にワクワクできない……と自分にがっかりしてしまっている。男たちの男たちによる男たちの物語。
この場合は、せめて世界観だけでも楽しめたら……と思うけど、好みの世界なだけにあれこれ読み過ぎて、新鮮味もなく、この辺りの作品と同じだなという類似点でまとめてしまっている私がいる。
読みすぎ注意。歳をとるってせつない。

せめて10代の時に出会えていたら……。いや。今響かないのだから、10代の私にはもっと響かないな。もっと楽しくて分かりやすい女の子向けの冒険作品にハマってたし。

なんていうか、どう読んでいいのかわからない。困る作品。
ごちそうさまでした。

さいはての島へ