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「星に仄めかされて」を読んで

2024/03/17

星に仄めかされて– 2020/5/20 多和田 葉子 (著)

星に仄めかされて

「星に仄めかされて 作:多和田葉子」を読んでみた。

読み終えた。……分からない。
ますます、迷路の中に入り込んだ感じだ。
三部作二冊目。Susanooの言葉を取り戻すために病院に入ることに、そこにみんなが集まるという話。

病院での話とクヌートの母親の恋愛とノラとナヌークの病院までの道中話と。
話があちこちに散っていて、何を読んでたかなと思う。

最初に出てくる、『ムンン』もよくわからなかったけど、Susanooが「ツクヨミ」と言っているという点から『ムーン』なのかなと思う。差別的な人物も出てくるけど……これは皮肉なのか、何でもかんでもうるさい時代だなという話なのか?と思って読んでしまった。
障がい者のムンンは差別を気にもしてないのにという事なのかな。

全部の出来事が中途半端と思っていたら、いきなり『夢か現実か分からない船のチケット』がみんなの前に現れて『船に乗ろう』で終わってしまった。
がっつりファンタジーに見えた。それとも、ムンンは言葉が上手く使えなくて、現実と幻想の境目も曖昧でそうなってるだけなのか……。

意味が分からない事が多すぎて、これ次で『面白い』に転じそうにはないなと思う。

ついでにちょいちょい性的なワードが入ってる。男性キャラってキツイなと思ってたら
『色あせたペニスみたいなソーセージが並んでいた。』168p
この一言で、ああ、それはないなと思った。ついでにこれ、食事を選ぶシーンに書いてある。5歳児キャラなら分かるけど、そういうふざけたキャラではないし、そういうシーンでもない。
この後にセックスに関するシーンがあるとか、そういうのでもないので……食欲がないという意味かと思えばそういう描写でもない。たぶん、この描写がかっこいいと思ってるんだろうな。というぐらいしか分からないけど、これで食欲湧いて、ソーセージ食べようと思う人がどれだけいるんだろうか。私は無理だなと思った。この一文で、訳の分からなかった物語を理解しようとして読むのもやめようと思った。そういう世界の人なのだと切り捨てて読む事にする。


一冊目よりきつかった二冊目。


この文章の感じ、村上春樹に似てるなと思う。一文だけ取り出したら、綺麗かもしれないけど、全体としてみると意味が分からず、意味は作者の中にだけある……みたいな作品。
分かりたかったら、作者の作品全部読めみたいな。どれだけ寂しがり屋なんだよ、めんどくせえからヤダと私は思う。
性的なものの扱いもカジュアルっぽい感じを出しながら一定の質を保ってる感じを醸しつつ、中身は5歳児が言うことと変わりがない。
どちらの作者もヨーロッパに住んだことがあったり住んでたりするので、向こうの感覚がそうなのかな……と思う。日本にいたら、この感覚は持てそうにないので5歳児なのかなと思ってしまうけど、ヨーロッパだとジョークみたいなものなのだろうか。

という話を妹にもしてみたけど、「ヨーロッパってそういうの厳しいんじゃないの?」と返ってきた。いや。向こうは『子どもが見る場合』はとても厳しい=ゾーニングが厳しいだけで大人が読むものに性的なものが混ざってるのは気にしないのかなと思う。今まで集めた情報からの推測で、しかないけど。性的表現自体が制限されてるわけではない。

いや。でも、食事でその例えは……やだなぁ。向こうの人は嫌とは思わないのかなぁと不思議に思う。口に出して言うのはアウトで、心の中の声としてはアリなのか。……わからない。


『星に仄めかされて』


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