「君色パレット SNSで繋がるあの人 絵:佳奈」を読んでみた。
4つの物語が載っている。
・プロジェクト・チュウニ 作:如月かずさ
中学二年生の二人がゲームの実況動画を作る話。……いや。作ってるしチャンネルを持ってるから、『作る』ではないのか。動画のために学校を休む話?
2026年の現代の物語だなと思って読み終えた、ただ、舞台は現代だけど、『本気で何かをやるにはどうしたらいいのか』と悩むのはどの時代の子どもも変わらないと思う。
・BONSAIラブ 作:おおぎやなぎちか
嫌いだった祖父のお仕事の盆栽。ふとしたことで、家の盆栽園がネット上で話題になって、見直すことになる物語。
祖父と孫娘という微妙な関係に、盆栽とダンスが組み合わさって絶妙な物語になってる気がする。短いのに読みごたえがある。ワクワクしながら読み終えた。
・にぎやかな孤独 作:朝比奈あすか
孤独な女の子が求めたのはSNSの繋がり。でも、そこには何もないかもしれないと思い始める物語。
女の子の孤独周辺だけを描きながら浮かんでくるように仕掛けてあるのだろうけど……情報があまりにも足りなさ過ぎて、これは読めない人には読めないのでは?と思ってしまった。児童書の物語にしては情報が少ない。伝えたいことはわかるけど、情報を削りすぎてる気がした。
大人な私の読み方としては、これは即児童相談所行きでしかないし、おそらく先生は何か気がついているのでこの後の物語は児相が入りそうな気がしてしまった。
・ジルと柚 作:佐藤まどか
ネット上のジルと、現実の柚の間で揺れる女の子の物語。
ネット上と現実が違うというのはよくあることだし、私自身そうなってる。正しいことは現実では『正しくない』『おかしい』ことにされる。
これは物語だから、それを乗り越えて『みんなに自分を合わせない』事を選ぶけど。現実でも『合わせる』ことが出来ない私は、合わせた方が生きやすいよとも思う。合わせられるなら、そっちの方がいい。そして、こういうのは『はっきり言う』のではなくて、もっと相手を傷つけないで、相手の間違いを指摘する言葉もあるような気がする。
そして、『いじめ』はそれに気がつかない大人の責任なので、子どもたちだけで解決しないで欲しい。大人を巻き込んだ解決にしてほしいなと思ってしまうけど、物語になると『子どもだけで解決した気になる』で終わるの多い気がするんだよな。
この物語も『はっきりと相手に言えた』というシーンで終わってるけど、こんなの現実では次の日からいじめのターゲットになるだけでしかない。現実が見えてる子どもはこの物語にがっかりするだけな気がする。
前半二つがワクワク楽しく読めたし、子供たちの考えの変化がよくわかる物語だったのに対して、後半二つは微妙な感じがした。子どもたちに伝えたいものはわかるけど、もっと別の物語を用意できるような気がしてしまう。『虐待』や『いじめ』を物語に組み込むときはもっと慎重になって欲しい。『多様性をみつめる』というテーマであるなら、尚更。
ごちそうさまでした。
