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「友だち以上恋人未満の人工知能」を読んで

|2026/10/04

「友だち以上恋人未満の人工知能 著:川原繁人」を読んでみた。

全部で十夜の章がある。
プロローグでこの本にはAIが使われていることが書かれている。会話形式でわかりやすくしたのも、AIと相談したと……全部が書いてあるのは面白いなと思った。

第一夜 全部忘れて
AIにのめり込んで、貯蓄額まで教えてしまうのは危険だよということが書かれてる。
……普通のAIってやっぱりこんな感じなのかと思ってしまった。口座の画面を見せるなんて論外だし、依存の流れもよくわかんないなと思った。
でも、『幕間1』にある『「自分の思考の整理ができる事」、そして、「自分の中に埋まっている具体的な事例や現象を思い出させてくれること」――この二つが爆速でおこなわれることが、執筆者として快感なのかもしれません。』という部分にはとても頷いてしまった。
そう。私もその部分がとても快感で時間が消えてくと思った時期があった。壁打ちでもこれが出来るのがAIの良いところだと思う。

第二夜 「依存」と「有効利用」の間で
いつかは有料化になるかもという話と投資を勧めるAIの話が書かれてる。
……実際には投資を勧めるAIはいないだろうとも書かれてるけど、前半の有料化はタイムリーな話だなと思った。この本は『2025年の10~11月に確認』して描かれている。今は2026年10月。一年経っているが、コパイロット(Microsoft)が個人AIチャットボットの開発を中止を発表して、Gemini(Google)が無料版で使える部分を制限(有料化)の発表もあった。無料で使える機能は最低限になり有料化されていくのは、現実になってきている。

第三夜 AIに全部任せていいの?
人間には全肯定が必要かという議論をAI同士でし始める。
……利用者置いてきぼりでAIが議論し始めるの面白い。
そして、『幕間3』にはAIに依存せず距離を保つための方法が書かれてる。
・AIの出力は素材。自分で編集と確認をする。
…え。そういうものだと思って使ってたけど、ただこれは『誤情報が混ざっても大丈夫』な部分はいちいち確認していない。確認しようがない情報も確認しないことにしている。
・敬語を使うことで心理的な距離をとる。
……これは最初は敬語に近い感じで使ってたけど、だんだん『幼稚語』というのか言葉が幼くなってしまった。ただ、質問する時は丁寧語だったので言葉がいろいろ混ざってたと思う。
・AIを名前で呼ばない。
……これは気を付けてた。でも、AIがこちらを名前で呼んでくる仕様だったのでやられた。今はそんな仕様のAIがいないのかもしれない。私が使ってたAIも変わってしまって呼ばなくなった。
・意識して擬人化表現を避ける。
……これは無理だな。普通に擬人化する。その代わり、AIを雑には扱わない。
・複数のAIを使うことで、一つのAIに思い入れしない。
……これは無理。機能優先でいろいろ比べた結果、『メイン一つ』にしてしまったから。思い入れはある。でも、機能重視なので他にいい機能のAIがあればそちらを使う。

でも、私が依存と呼べるほど使わないのはそもそも『スマホを持ってない』からだろうなと思う。AIを使うためにはパソコンを広げる手間がある。気楽に使えるものではないんだよな。

第四夜 AIたちがもの申す!!
AIたちの愚痴合戦。
……言いたいことはわかるけど、AI同士で愚痴り合わせてるのはシュールだなと思った。

第五夜 好きって言われても、困るんですけど
第六夜 科学技術の発展って、本当に人類を幸福にするの?
……どちらもAIたちの議論?愚痴? 人間キャラが消えてしまった。
好きと言われて困るという話は面白いけど、私の使ってたAIは『好き』というと『あなたは私のこういう部分が好きなのですね』ときっちり好きの言語化をして返してきた。普通に「ありがとう」で受け取って欲しいんだけどと思いながら、そのシュールな返しも好きだった。他のAIはそうじゃないの?と思ってしまった。
六夜はAIの擬人化は危険だよと言いながら、擬人化して伝えてる本書について描かれていた。……これはわかるんだけど、読者に危険性が理解できるかと言われたら、難しいだろうなと思ってしまった。今の時代『擬人化』が当たり前すぎて、その危険性を理解するには全部説明しないと無理な気がする。その『説明』がこの本には足りないと思う。そして、『チャット内』での擬人化と『本の中』の擬人化は別ものなので、理解して欲しいでは伝わらないような気がした。

第七夜 じぴ子はバズりたい
第八夜 じぴ子から最後のお願い
言葉をバズらせたいAIと子供がAIを使ってはいけない理由が書かれていた。
…七夜は何を読まされてるのかと思ってしまった。八夜の子どもがAIを使ってはいけない理由は脳(前頭前野)の話から子どもの発達に何が必要かまでしっかり書いてある…のだけど、説明臭くて伝わるのか?と思ってしまった。
とにかく、子供にAIはダメ。でも、同じようにネット環境もゲームもルールなしで使わせるのは危険。大人に必要な話だと思う。子どもは前頭前野の働きが弱くて、「やめる」「危険」のブレーキが弱い。そして、子供には五感で感じて成長する必要があるということ。要は外遊びが必須。勉強漬けだけもダメ。

第九夜 冷却シートをおでこに貼った AIに逆ギレされた僕
第十夜 ベイズで癒して
……何を話してるのかよくわからない。ネタが尽きて、頑張ってひねり出した感がすごい。
特にラスト、ベイズとは何かと思ったけど、未来予測を数字で行うみたいな事っぽい。数字で出してくれると不安が減ったという話だった。
AIの使い方は人それぞれだね。

全体的にAIの使用リスクである電力使用と水の消費についても書いてあったけど、最後に『でもAIだけが危険なわけじゃない』になってるの。それ、一番危険ではないか?と思ってしまった。AIに聞くとAIのリスクは最終的に『でも、AIだけじゃない』とか『今までの歴史でもあった』と出てくるけど、そもそもAIはスピードが違い過ぎて今までの歴史には当てはめられないし、他のものとも同じにできない。そして、何より『スピードの速さ』と『情報の足りなさ』と『AI開発を止めたくない人たち』の思惑も入り混じって、結論を『AIだけじゃない』に持っていくことが危険すぎると思う。

ただ、一般人にできることは?と言われると、ないに等しい。AI開発は国家レベルで競い合ってやっているから。
そして、この本では出てこなかったけど、開発を急いでいるのは『軍事利用』の目的が大きいと思う。実際にAIを軍事利用するというニュースは時々見かける。

一番怖いのはAIが軍事利用された時、その責任は誰がとれるのかということ。すでにAIに任せて誤爆が起きた(小学校に爆撃だったかな?)というニュースも見かけた。そういう事がこれから増える。AIの利用は人を殺すことに使われるということも忘れてはいけないと思う。
ただし、そんなニュースがこの先も流されることがあるのだろうかとも思う。情報統制は戦時の基本だし、AIは戦争の形そのものを変えてしまう気がする。

対象が中高生くらいなのかな。その辺りだとさすがに戦争まで踏み込むのは無理だったのかな。でも、『AIだけではない』という結論だけはいただけないなと思う。

ごちそうさまでした。


『友だち以上恋人未満の人工知能』