「流浪の月 作:凪良ゆう」を読んでみた。
映画を先に見てたので性的描写があるのかと思ったけど、それはなかった。……映像と文字情報の差がすごいと思ってしまった。そして、映画は気持ち悪くてほとんど頭に入ってこなかった。
文字情報でゆっくり頭に入れたら、物語は入って来たし、テーマも悪くないのだけど組み合わせが私には合わなかった。
なぜ、未分化の身体と小児性愛を混ぜたんだ。そこは『アセクシャル(無性愛者・性的欲求を持たない人)』だろうが!!と突っ込んでしまった。なぜ体の事はインターネットで調べたのに、性的指向は調べなかった?……でも、まだ情報がそこまで広まってない微妙な時期だったかなぁとも思う。でも体の事が出てくるなら同じように性的指向も出てきたと思うんだよな。情報は少なかったけどゼロではなかったはずだから。
物語は19歳の文に9歳の更紗がついて行き、一緒に過ごすことから始まる。二人の複雑な家庭環境と孤独感がマッチして、お互いがお互いに惹かれ合うが、『女児誘拐事件の加害者と被害者』として二人は引き離されてしまう。
大人になって再び、交流を始める二人だが、そこにも世間の目が襲ってきて……。
というような感じだろうか。
二人の孤独との対比を出すために周囲の人たちの『誤解』が強く書かれてる。
心理描写も二人の孤独も好みだから、20年前に読んでたらもっと『いいな』と思えていた気がする。(20年前には存在してない)でも、『2026年の今』はいろんなものがアウトすぎる。そして、物語のご都合主義が鼻についてしまう。
インターネットにデジタルタトゥーが残るとあったけど、これは消せるのを実感してる。むしろ、インターネットだからこそ15年もたてば消える。残っている方が奇跡。もちろん、細かい情報を組み合わせて『掘り起こす』ことはできるけど、『名前を検索したら出てくる』状態を保つのはかなり難しいと思う。だって、同姓同名がいたら終わりだよ。同姓同名の別人を攻撃したら名誉棄損で攻撃した側がアウトになる。
ん。何で知ってるかって?そりゃね。高校の時の担任が捕まったので、その情報がどれだけ残ってるかずっと見てきたから。……10年もたてばほぼ消えるし、同姓同名別人が活躍してたので、その人の情報に塗り変わっていった。システムも変わるし、ネットサービスも終了していくので、消える可能性の方が高い。50年経ったら残ってる情報なんてあるのかな……なんてことになりそう。
そして、この作品自体が『誤解をばら撒きまくっている』ので皮肉なことに主人公たちが嫌悪していたものにこの作品自体がなっている……ように思う。
覚悟して読んでたから、こんなものかなと思う。
『流浪の月』