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「空飛び猫」を読んで

2025/06/11

空飛び猫 単行本 – 1993/3/1
アーシュラ・K. ル・グウィン (著), S.D. シンドラー (イラスト), Ursula K. Le Guin (原名)

空飛び猫

「空飛び猫 作:アーシュラ・K・ル=グウィン 絵:S.D.シンドラー 訳:村上春樹」を読んでみた。

小説かなと思っていたけど、大人向けの絵本だった。翼が付いている猫が優雅で可愛い。
物語は『翼のついた4匹の猫』が産まれたところから始まる。母親ネコは戸惑いながらも、4匹を育て、やがてその翼で街の外に出るように言う。たどり着いた森では他の鳥たちに警戒されてしまうけれど、やがて出会った人間と仲良くなれる。

大きな出来事は特にない……『翼をもった猫が産まれる』ということが一番大きな出来事かもしれない。絵が付いているので、綺麗な猫を眺めながら文章を読めることが良かった。


そして、村上春樹かぁとがっかりしつつも、『綺麗な言葉』として意外と似合うのかもと思い直して読んでみたら。

やっぱり、村上春樹だった。なぜ、疑問点を原作者に問い合わせない? なぜ、わざわざ訳注付けてる?
『そういう歌詞の歌が実際にあるかどうかは不明』49p
ではなくて、原作者にその疑問点を聞いてみないのだろうか。聞けば解決するのでは?翻訳者が原作者にこんな質問をしたら、こう返って来たみたいな『翻訳者のあとがき』はよくみかけるけど、村上春樹翻訳にはそのような様子がない……ような?

その説明がなくても物語は楽しいのに……なんで、気分ぶち壊し情報を乗せてるんだろうか。

セルマとロジャーとジェームズとハリエットの猫とハンクとジュリエットの兄妹の交流がほんわかする素敵な終わり……。
絵は素敵。作品も素敵。蛇足が酷い。

ごちそうさまでした。


空飛び猫


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