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「非行の火種は3歳に始まる」を読んで

2024/12/24

非行の火種は3歳に始まる: 親が泣かない25の鉄則 – 1988/6/1 相部 和男 (著)
非行の火種は3歳に始まる: 親が泣かない25の鉄則 (PHP文庫 ア 4-1)

「非行の火種は3歳に始まる 著:相部和男」を読んでみた。

児童虐待防止に役立つ本……かなと思って読んだけど、現代ではほとんど役立たない知識ばかりだった。昭和の時代はそう言われてたなぁという歴史書を読むような気持ちになってしまう。
まず、時代背景が違いすぎた。露骨な体罰……庭の木に子供を縛り付けて棒でたたくなど……は現代では即、警察対応になる。
次に女性蔑視もジェンダーバイアスも強すぎて、現代では当てはまらないことが多い。
そんなわけで、突っ込みながら書いていく。

1 愛情に飢えて非行に走る
非行少年との面接時は少年を自分の隣に座らせるという話から始まっている。これは少年院などに入っている少年たちへのカウンセリングの時の話。少年たちは警察の取り調べなどで向かい合って話すことに慣れているので最初はギョッとすると……。
これ、男同士だからいいけど、女の子に対してやるとキモイおっさんになってしまうと思ってしまった。あと、これで距離が縮まるのは、この時代がまだ『人のぬくもり』があったからだろうなと。現代の子たちはここまで近づかれると、警戒すると思う。対面や自分の真横ではなくて、机の角で対角線になる感じと言えばいいのだろうか。あの位置が丁度いい距離感だと思う。異性同姓問わず、子供と言えども初回から距離感を縮めすぎるのはよくない。

『健一(仮名)少年は、生後まもなく父と死別し、実母はほどなく少年をすてて情夫のもとに走った』16p
初っ端から重い生い立ちの非行少年の話が出てきた。情夫? そっか。そういう時代か。現代だとここは『恋人』だろうな。
非行少年の事例がこの後も出てくるけど、知能指数も書いてある。カウンセリングでテストをしてそういうのを出した上で今後どう接するかを決めているらしい。
非行少年たちはカウンセリングを『チリチリテスト』と言っていると。『チリチリ=いかれた。正常ではない』という意味らしい。……時代だなと思う。

女が怖いという少年の話もあった。けれど何のことはない。幼少期に母親の性行為を見せつけられて、女という物が嫌になったという正常な少年だった。現代ではこれは『児童虐待』になっている。子供に性行為を見せつけてはダメだし、子供から訴えがあったら児相が入って来ると思う。この他にも親の性行為を見せつけられた子供の話などが平気で出てくるけど……。この著書は非行少年を説得する立場なのよね。
『どんなに酷い親でも、親にも理由があったんだ。君が傷ついたのはわかる。でも、立ち直って親を許さないとダメだ』という事になる。
……時代。時代だっていうのはわかるんだけど、現代の価値観とは大きく違い過ぎて、吐きそうになる。児相ってまだない時代だっけ?児相はいつから存在してたのかな。

2 幼児期の溺愛は非行の温床
幼児期に溺愛すると我慢が効かなくなって非行に走る。
ザ・昭和の価値観。そういう価値観がほんのりあったの覚えてる。と思いながら読んだ。
これ、現代ではかなり違う解釈だと思う。ダメなのは溺愛ではなくて、『子供の要望だけを聞くこと』で、『自分(親)の要求を伝えない事で、相手にも理由があって自分の理屈が通らない時がある』というのを学べないのが問題なわけ。
こうなると『他者の要求』が全く見えなくなって、『自分の要求を通すのが当たり前の世界』だと思い込んでしまう。で、親はそういう子供でもかわいがって要求を全て叶えようとする……のが現代のパターンなのかなと思う。
昭和の時代は親も『世間体』をまだ気にするし、世間様の力が強いから他人の言葉を子供にそのまま伝えてトラブルになってるだけな気がする。つまり問題は『いきなり子供の要求を無視する大人』にある。ここは『大人側の要求も冷静に伝える』というワンクッションが必要だったんだろうけど。昭和だから親たちは怒鳴って殴っていう事を聞かせる……という話になってた。時代……。

ただ、溺愛に見えて『親の要求をさりげなく通して、子供の要求は叶えない』みたいなパターンもある。このパターンだと『自分で自分の事が決められない』になる。同じ溺愛に見えるけど、形が微妙に違うから結果も違う。という事を現代では言われてるけど、この時代どちらもまとめて『溺愛されたから子供がおかしくなったんだ』という結論になっていて、単純な結論過ぎて役立たないと思う。

『積み木くずし』の話も出ていたけど……たぶんこれは溺愛は関係ないんだろうなと思う。積み木くずしの本を読んだけどあれは、書いてないけどつまりさ……だよねと思う部分がある。『積み木くずし』は有名人の子どもがどんな目に合うかっていう話だと思うから親子関係がどうとか、溺愛されたからは無関係。あえて言うなら、『子供の名前も顔も出さないでひっそりと暮らす』事が必要だったんだと思うし、現代では有名人の子どもが顔も名前も幼少期から出てるってほとんどない(芸能活動をしていたら別)。

その後に非行少年の事例が載ってたけど、少女にわいせつ行為をしても保護観察で終わる判決が出て喜んでる場面があった。……時代ですね。強姦ではなくて触ったとか見た程度なら大したことないっていう。ここはちゃんと裁かれてほしい。この少年、『高校に行けないから諦めろ』と説得されて、中卒で働いてる。現代だったら、必死で入れる高校を見つけてとにかく高校だけは出てくれになると思う。中卒はさすがに厳しい。

3 個人相談にみる問題児たち
少年院の話から少し外れて『登校拒否』の話。昭和の時代だなぁ。現代だと『不登校』。
子供が登校を拒否してるわけではなく、登校できないので『不登校』になった。
本には登校拒否の原因は『幼児期の溺愛』『幼児期に父親がわが子と遊んでいないこと』

溺愛敵視はわかる。父親が遊ばないからというのは信頼関係がないのに、子供に対して怒鳴るからという事らしい。いや。遊ぶとか遊ばないはどうでもいいと思う。『会話もしてない』事が問題だし、たぶん、父親と子供が話す事ってなかったんだと思う。『子供に問題が起きない限り、父親は何もしない』というのがそれまでの家族だったのだろうし……現代もまだ、その感覚が残ってる男たちはいる。

そしてこの後の相談事例は……理屈が通っていないので、理解が出来ない。

水泳が嫌で登校拒否した少女は転校した事で登校できるようになったという事例は、転校が解決策にはならないと書いてあったけど、これ、単に『上から高飛車に命令する教師が嫌だった。それが水泳の授業で起きたので、水泳が嫌だ』というだけで、わがままでもない。原因がはっきりしてるんだからこの『高飛車な教師の何が嫌だったか』を掘っていけば、原因がわかりそうだったのに著者は『幼少期に溺愛されたからわがままなんだ』という理屈で教師については問題視してないのよね。
『溺愛=悪』の思考停止で他の原因が削除されてるの悲惨すぎる。

その次の事例に至っては、夫婦間のセックスレスが問題でそれが解決したら、子供の不登校も解決した。勉強を知ろとうるさく言うのもやめた……という話だった。セックスレスが子供に影響するってどんなファンタジー??

次はまだ分かりやすかった。子供の欲しがるものを何でも与える祖母と離れて暮らしたら、子供の問題行動も減ったというもの。環境を変えて、状況が変わるのはわかる。

次は、母親が寂しくて自慰をしていたら、子供も毎日するようになったという…炎症を疑おうか。かゆくて触ってるだけかもしれない。必要なのはカウンセリングではなくて、病院かもしれないと思ってしまった。

さらに次は子供の夜驚症も夫婦の営みがないから……。夫婦の営みを持つようになったら子供の夜驚症もなくなった。どんなファンタジーだ。と言いたくなる。これ、子供が4歳なのでそういう時期だったんだろうなと思う。

次は子供のおもらし。子供を褒めろというアドバイスはわかるけど、原因は母親がセックス拒否するからとなっていて、ファンタジーもこれだけ続くとお腹一杯と思ってしまった。こちらも子供は小学一年生。夜のおしっこコントロールが出来ない子がいても不思議ではない年齢なので正常な発達の範囲内だと思う。

セックス不和については『母親のセックス拒否や嫌悪』からで、母親に対して父親のいいところを見て自分から甘えたらいいというアドバイスをしている。吐きそう。夫婦の営みは子供に関係がないし、子供の年齢を考えたら、その状況は『発達段階として正常の範囲内』と思われるので、問題はないと思うのよね。母親に偉そうに説教してるの吐きそうだし、それに対して母親たちが「ありがとうございます」と年賀状を送ってきたというのまで本に書いてある。昭和の男女差別の濃さを感じる。

4 問題児をつくらないためのニ十五の提言
全部突っ込んでいこうと思う。現代で役立つのは、数えるほど……。

1 こどもは母乳で育てるのが一番、ただし授乳期間の長いのは禁物
関係ないだろうと思ったら、人口栄養(たぶん、粉ミルクのこと)だと抱っこしてミルクを与えないと書いてあって、びっくりした。哺乳瓶だと一人で握らせて飲ませるの?そんな飲ませ方あり??? たぶん、現代では粉ミルクでも抱っこするから問題ないかと思う。あと授乳期間が長いって言っても3歳くらいだろうと思って読んだら小学校に入っても飲ませるということが書いてあった。下手すると中学に入ってもとか……時代?え?そんな世界があるの??
これも現代だと、歯が生えそろったらやめるんじゃないかなと思うんだけど。たぶん、現代では当てはまらない気がする。昔は食べ物もなかったから、子供は母乳を与えておけばいいみたいな考えで、長期間の授乳になったのではないかなと思う。

2 長期にわたる添い寝はやめよう
これも、現代では当てはまらない気がする。添い寝するのはその方が母乳を与えやすいからだったと思う。授乳期間がそれほど長くない現代では添い寝の期間も長くはならない。

3 転んでも決して抱き起さないこと
これは、ケースバイケース。でもこの本、『抱き起したら、甘やかすことになる』という昭和魂で書かれてる。……そう言われていた時代もあった。
慌てて抱き起さなくてもいいけど、近づいて抱き起すぐらいしていいし、『痛かったね』と言って「痛い時には泣いていい」を教えていい。もちろん、泣きたくないなら泣かなくてもいいけど。「痛くても平気なふりをしろ」とか、「こんなのは痛くない」と言って痛みを表現させなかったり、痛みがないことにしてしまう方が問題。

4 こどもの要求を無制限に通すな
これもケースバイケース。子供の要求だけではなくて、大人側の要求も伝えて『話し合う』姿勢を作ることが現代の子育てだと思う。

5 愛情のこもった手作りのものを与えよ
これは捨てていい。誰が作ってもいい。お店のものも誰かが作ってくれたもので、感謝して食べたらいい。そして、ご機嫌で家族みんなで食事するのが一番いい。

6 親子でともに汗水を流す機会を持て
これは、そうなのかもしれないけど難しい。本には山登りをしろとあるけど、さすがに山登りは無理だし、日曜大工ができる親もそんなにいないと思う。個人的には『汗水を流す』ではなくても、子供と一緒に何かする程度の感覚でいいと思う。折り紙折るのも、塗り絵をするのもいい。

7 性器への関心を逆に助長しないこと
これ……意味が分からんと思ってしまった。息子が自慰をしてたら、可哀そうにと手伝う母親がいるとか。なんのポルノ作品だ???と思ってしまう。だから、子供が自慰をしていても見て見ぬふりをしようと書いてある。
現代では、これは性教育。子供の年齢によるけど、小さな子たちならまず、止める。陰部に病気や異常がないか確かめる。もちろん、確かめていいか同意を子供からとる。その上で、問題がないけど触りたくなったというなら「手は洗う」「人のいない場所で」「弄りすぎると傷が出来て雑菌が入ることがある」などを教える。年が少し上がっているなら、後半部分だけ伝えて『異常があったら病院に行こう』とも伝えておくかな……。無視するな。見て見ぬふりはしちゃだめだ。

8 食事への感謝をまず父親から示そう
母親は作る人で、父親はしつけする人という時代の名残かなと思う。現代では父親母親、どちらが作ってもいいし、どちらも食べるときには『いただきます』『おいしかったよ』と伝えればいいだけ。父親母親だけではなくて、祖父母が作ってる場合も同じく。

9 お父さん、もっとこどもと遊んで
これもたぶん、時代なのだろうなと思う。父親は企業で働いていて子供と遊ばないという時代だったから、これが入ってるのだろうけど。現代だと子供と遊ばなくてもいいけどその代わり、子供からの信用も信頼も得られないよというだけ。自分の子どもで家族だから『勝手に尊敬される』と思ってると、大まちがい。

10 夫婦喧嘩は山の中でどうぞ
現代では子供の目の前で夫婦喧嘩をすると虐待になる可能性がある。これ『可能性』という事になってるのは、喧嘩後に仲直りをするというところまで見せてるなら、子供は『すれ違っても仲直りできる』という事を学ぶので虐待にならない可能性もあるから。
ただし、これは『口喧嘩』程度の話で暴力を使った喧嘩は子供に見せてる時点で虐待。

11 比較した叱り方は逆効果
これは、現代でも言われている。兄弟姉妹だけでなく、いとこや近所の子など比較して「お前はダメだ」はやめた方がいい。ついでに「お前はあいつより上手い」みたいな言葉も良くない。『人と比較して、いいか悪いか』を子供に教えてるだけで褒めてないから。

12 朝はまず夫婦のあいさつから始めよう
これは、聞いたことないけど……たぶん、基本だよね。基本過ぎて、現代では言わないのかなと思ってる。

13 叱ることよりほめることが大切
現代でもそう言われているけど、状況は複雑で『褒め方』も何でもいいから褒めろではなくて、本人が努力したこと、変えてきたことを褒めた方がいい。たとえば「かわいいね」は褒め言葉ではない。見た目は努力して得たものではないから。「その服の色、素敵」というような本人が選んだものを褒めるのはOK。
さらに海外では『ジェンダーバイアス』にも気を付けて、男の子だから「かっこいい」女の子だから「可愛い」という褒め方をしないようにしてるらしい。「素敵」「センスがある」「頑張ったね」などジェンダー関係なく褒めることができる言葉で褒める。

14 家族との会話の場を多くせよ
寿命が延びて、家族との時間が増えた弊害なのかなとも思う。そして、これは確かにそうなのだけど『何を話したらいいか』が書いてないから、家族との会話がない人たちは「それはわかるけど、何を話したらいいの?」になってしまう。
ゲームの話をしたら、親の顔が歪むし、仕事の話なんてわからないし……みたいな。たぶんこの時代だと子供と親の価値観が違い過ぎて、会話が続かないっていうのもあったのかなと。現代だと平気で親子そろって漫画や芸能人、ゲームetcの話が出来そうだけど。
ただし、『子供の親の愚痴を聞かせる』のだけはやめた方がいい。なるべく、子供には楽しかったこと面白かったこと。あとは気を付けることなどの話で。

15 家族との約束は必ず守れ
これは現代でも聞く。でも、大人は子供の言葉を軽く聞き流してしまうのよね。大人になってそれを実感してる。大人って怖い。
そして、これは必ず守れではなくて、『守れなかった時に、謝ること』が出来たらいいと思う。

16 笑顔の絶えない明るい家庭を!
標語か……。無理だ。泣きたい時は泣け。困ったときは各種相談機関へと思う。ただ……相談機関が機能してるかどうかは微妙な感じもするので、何とも言えない。

17 人に迷惑をかけないしつけが肝心
現代でもこういうの見かけるけど、やめとけと思う。迷惑をかけないよりも、『自分が出来ない事は誰かを頼る』『困ったときは相談する』『自分も誰かの困りごとには手を貸す』みたいなものを教えておいた方が、生きる力が付く。社会って、そういう緩やかなつながりだから。
でもここに書いてあるの、『ゴミ捨てるな』『傘は水平に持つな』というものなので、それはただの知識だなと思う。水平に持つと子供の目線と同じになって、危険だよっていうの知識として入れておいて。

18 親しき中にも礼儀あり
本の中に書いてあるのは、『夫婦でお互いの悪口を子供に聞かせない』『先生の悪口を子供の前で言わない』というものだった。それ、親しき中にも礼儀ありではなくて、子供に悪影響だからやるなっていう話。
親しき中にも礼儀ありって、『やってもらった事には感謝の言葉を言う』『自分がしなくても誰かがやるとは思わない』というような事だと思う。部屋を掃除してくれたらありがとう、ご飯作ってくれたらありがとう、送迎をしてくれたらありがとう。そういう小さいこと全てに感謝しろだと思ってた。もちろん、子育ては二人の役割なので一方が子供の送迎をしてくれたら、してもらった方は感謝の言葉を言うのも当たり前。

19 よいことと悪いことのケジメをつけよ
本には窃盗の話が書いてあって、親が子供に『盗むときは人に見つからないようにやれ』と教える話が書いてあった。そう教えられた子供は盗みを悪いと思わなくなると。
それは洗脳ですが……と思ってしまった。そして、刑務所と娑婆を行ったり来たりする子供になったとあったけど、そういう人はそれが『当たり前』になっていて、盗みをしない人生というものがイメージすらできなくなってると思う。

『よいことと悪いことのケジメ』の話ではなくて、『人生のイメージ(目標)』の話だなぁと思ってしまった。社会にとっては問題児だけど、親にとっては問題児ではないので、問題がない。むしろ問題なのは、そんな事を子供に教える親を作った社会。

20 小遣いは月いくらと決めよう
お小遣いの話は、現代でも親の悩みのひとつらしいけど、現代では電子マネーという物が出てきて『お金の現物』なしで数字だけでやり取りされちゃうのよね。現代の親の悩みは『お金の概念を子供に教える』事らしいので、この辺りは時代によって変化しそう。

21 親は子供の後ろに立て
現代でも似たような事は聞くけど、放任主義もあるし、子供によっては他の子よりも支援が必要な場合もあるので、ケースバイケースだよなぁと思う。子供にある程度の選択肢を与えつつ、年齢が上がるにつれて手を放していく……というのが最良らしい。
でも、この本は単に『子供に口うるさく言うな。反発するぞ』ということが書いてあった。時代が過激すぎて、参考にはならない。

22 家庭はカタルシス(いきぬき)の場にしよう
本の中では『食事時に性的な話をしても、怒らないでおこう』という事が書かれてた。話のメインが修学旅行の話なので性的な話をしようとして、そうなったわけではないけれど、話が露骨で食事には合わないなと思う。怒らなくてもいいけど、注意はしていいと思うし、食事時に合わない話はやめてほしいと伝えていい。
息抜きで話してるんだから、相手を不快にしていいなんてことはない。『親しき中にも礼儀あり』なのだから。

23 禁煙を強いる前に大人として認めよう
現代では、子供の喫煙放置は虐待に等しいと思う。まずは、禁止するのが当たり前だし、子供を大人として認める必要はない。子どもは『保護される存在』として認められてるから。
そして、保護するためにも話はよく聞くべきだし、頭ごなしに怒鳴る必要もない。
時代のせいなのかな。
『子供の話は聞かなくていい』『大人の話は聞いてやろう』みたいな価値観があるからこう書かれてるのかなと思った。
あと、親が喫煙してるのに子供が禁煙するわけがないみたいなことも書いてあったけど、現代では大人でも吸う人は少ないし、まして子供の前で吸うなんてありえないと思う。
副流煙の被害も知れ渡ってない時代の話だし、これも現代とは価値観が違う。

24 恩着せがましくない親になろう
子供に恩を着せる時点で、子供なんて作るなと言われるのが現代。そもそも、大学に出す金もないのに子どもをつくるな……みたいなのも見かけるけど、子供を持つ人たちはそういう情報には接していなんだと思う。
恩着せがましくない親というよりも『親の義務は果たして当然の親』になろう……だと思うな。
でも、夫婦は子供が成人したらお互いに『頑張ったね』って労いあったらいいと思う。そういうの大切。

25 こどもの線まで下りよ――白鳥芦花に入る――
本には自分が出来ない事は子供に求めるな……という事が書かれてる。
そして、子供と一緒に遊んだり経験したりする事、頭ごなしに怒鳴らない事など……。
現代の言葉だと『子供の人権は守れ』という事だろうなと思う。

でも、ここまでに書かれてる母親へのアドバイス『父親を立てて甘えて、夜は一緒の布団で眠れ』が気持ち悪くて、無理。父親は子供と一緒に遊べって書いてあるだけだし、昭和は女性蔑視が酷いし、こんなに虐待家庭が多かったんだなぁと改めて思う。

この本のおススメはしない。
非行少年の本なら定番(?)の『ケーキの切れない非行少年たち』かな。少なくともこの本よりは詳しく書いてある。非行少年たちの救われなさも。

昭和の時代は終わってるし、時代は進んでるんだなとこの本を読んで思った。

『非行の火種は3歳に始まる』