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「ミカンの味」を読んで

2024/02/22

ミカンの味
2021/4/20 チョ・ナムジュ (著)

『82年生まれ、キム・ジヨン』と同じ作者さん。

韓国の中高生の話。所々に性差別や社会の格差も入っている。ただ、韓国文化は分からない部分が多く頭を捻る部分も多かった。今のスマホ時代が分からないというジェネレーションギャップも。


スマホよりパソコンに慣れ親しんでいて、スマホを持っていない(契約なしの機器だけネット閲覧に使っている)ので、番号通知ってなに?と思ってしまった。カカオトークは聞いたことがあるケド、使ったことがないのでわからない。


意味もないのに人を虐めたり、仲間外れにしたりというのはリアルだなぁと思う。子供の時って、そう言う事がある。誰が悪いとかじゃなくて、そういうのは大人が介入して止めるしかないみたいな事がある。
物語の中ではしっかりと大人が対応していて……いじめを認めたくない学校側とのやり取りの闇も書かれているが……、一応、解決しているのがいいなと思った。


他にも意地を張ったり、その場の空気で必要ない約束をしたりという子供特有の空気感にキュンっとしてしまった。

韓国では中学生も自由にお化粧が出来たり、いじめの対応のための部署があるというのは日本とは大きく違い先進的だなと思う。お化粧くらい日本も解禁したらいいいし、世界的な流れはそうなってるんだよな。髪の長さだとか制服のあれこれだとか、まして下着の色なんてものまで指定している日本は異常。

物語としても最後に『実は事件の真相は……』みたいな開示があって面白いと思った。ある程度予想はしてたけど、それでも予想を裏切られた部分もあって、面白い。
格差と個人の感情と社会背景とが絶妙に絡まり合っていて、読みごたえがあった。


韓国の作品、いいな。もう少し読みたいなと思ったけど、図書館には置いてなかった。
また他の作品を見かけたら、借りるかもしれない。


ミカンの味
2021/4/20 チョ・ナムジュ (著)