ノルウェイの森 文庫 全2巻 完結セット
– 2012/3/13 村上 春樹 (著)
「ノルウェイの森(下)」を読み終えた。
男の中の脳内妄想をこれでもかと詰め込んだ感じがすごい。スプートニクの恋人は主人公の友人の恋人の話が中心で、まだそこまでではなかった。友人が好きなのに絶対に結ばれないから、他の女に手を出すのが『スプートニクの恋人』だった。
『ノルウェイの森』は本命彼女に手を出しているが、さらに他の女にも手を出してそっちが本命になったという話。
それにしても、ノルウェイの森に出てくる女性キャラ達は性に奔放過ぎる。1960年代と年代が出ているけど、この時代ならばまだそこまで奔放ではない気がするけど……大学は奔放だったのか? 学生運動をしてた女たちは男性の相手だったという話はどこかで聞いたことあるケド。学生運動の話ではないのに、性に奔放な女が出てき過ぎてるし、主人公に都合が良すぎる。
恋愛の妄想を詰め込んだという点では少女漫画に近い気がする。
恋愛のドキドキ感を味わいたいとか、ちょっと切ない恋愛話を求めているなら読めるのだろうか。私、恋愛物は基本無理。
さらに、恋愛を抜いてもうっすらと漂う女性蔑視の視線がキツイ。この年代ならば、この程度はまだ『マシ』なのだと思いながら飲み込んだが、中途半端な優しさと『でも俺はあいつ(蔑視を行う人)らとは違う』という言い訳感がすごくモヤモヤする。
『ノルウェイの森』は性描写がキツイと聞いていたけど、思っていたより表現は薄いが性描写のシーンが長いので後ろを気にして読まないといけない。病院で読もうと思って持っていったけど、読めた代物ではなかった。
他にも本を持っていったので、困らなかったけど……後ろを気にしないといけないレベルなのはきついし、注意書き欲しいなと思った。
この人、性描写を書く人じゃない……はずだよね。スプートニクの恋人もそこまで長々と書いてなかったので、同程度くらいかなと思っていたらがっつりと長かった。
事前に情報を仕入れて読んだからいいけど、これ事前情報なしで読んだら本を放り投げたくなってたと思う。
性描写を抜いても私には『合わない』
なんであっちでもこっちでも女を食い散らかせるのか……。さらには『私は子供の頃からこういう事をしていた』という女性キャラまでいる。サラッと流される子供の性行為……しかもそれが、『性に奔放な女性キャラ』を際立たせるためだけに引き出される。『13歳の暴行魔』まで出てきてカオス。ヒドイ事をされたキャラを作りだすために子供を暴行魔キャラにしちゃえるんだ……うーん。無理。
色々と無理な点が多すぎた。
これ、青春ものらしいですけど……『男の理想の』青春であって、女性の青春とは程遠い。
現実的でもなく、女性たちはただの華として飾られ、男は『下品なモノ』として置かれている。女を食い散らかす青春は、現実では性病と出産の嵐です。どこかで主人公の子供が出来たという話まで書いて、本当の青春になるのでは?と思う。
要は『合わない』