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「ノルウェイの森(上)」を読んで

2024/02/22

ノルウェイの森 文庫 全2巻 完結セット
– 2012/3/13 村上 春樹 (著)

ノルウェイの森(上)を読んでいる。合わない。
文章も世界観もある程度は理解できるが、モヤッとした霧の中の出来事を読まされているようで、私には全く届かない。

1960年代という私が生まれるずいぶん前の話というのもあるが、そこにはびこる差別感と『でも俺はそれほど酷くない』と思っている感じ。

この年代ならばその感覚は当然だというのは頭では理解できるが、それを『綺麗な物語にまとめる』というのはモヤッとしてしまってどうしようもない。

これがもっと下品で、『下品な物語である』というものならば飲み込めそうなのだが、『自分はその下品さを観測している立場であり、自分はそこまで下品なものに染まってない』という上品さが何とも言えない感じに『下品』に見えてしまうのだ。

物語はとても『上品』にまとめられている。主人公も自分が『上品なものである』という自覚がある。そして、その立場から下品なものを見下している。と言うのが透けてるような気がした。


うーん。何が言いたいかと言えば、私には『合わない』


物語は『友人の恋人と関わる』という形で進んでいく。友人は死に、友人の恋人は俗世界から離れていく。
そして、友人の恋人を思う主人公はそれが成就されることがないので、他の女たちを抱く。

本命と付き合えないから、他の女を抱くってスプートニクの恋人と同じじゃないか……と思ってしまった。
たぶん、ファンの人たちは別の読み方をするのかもしれないケド、私にはそうとしか読めないのだ。


性描写が酷いという噂があったので読んでみたけど、その前にもっと酷いものを読んでいたせいで『可愛いものじゃない』と思ってしまった。私の感覚もおかしくなってしまっている。

性描写よりも上記に書いた『上品さ』が気になった。まだ、半分ある……と思うとウンザリするが、さっさと読んで別の物語に触れたいという気持ちが強い。

『ノルウェイの森 文庫 全2巻 完結セット』