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「7SEEDS」を読んで4

2024/02/20

7SEEDS コミック 全1-35巻 セット
– 2017/8/10 田村 由美 (著), 小学館

7SEEDS 外伝 コミック
– 2018/1/10 田村 由美 (著)

※最終巻の表紙、全巻セット(伝外除外)リンク


「7SEEDS」全35巻+伝外を読み終えた。

長々と続いた感想。
ラスト。


気になる言葉あれこれ。

17巻
「あたしもよく黙りこくって 相手の人は困ってたんだ」(ナツ)
安吾に話しかけて、黙られて困ったというシーン。
……うん。私も一緒と思った。黙る人です。


「人間、後悔している時が一番幸せだからさ」(蝉丸)
安吾には元の世界にやり残したことがあると知って、蝉丸が言った言葉。
後悔してると現実を見なくていい……というのはあるなぁとは思う。
でも、それが幸せかは分からない。後悔に呑まれて死んじゃう人も居るし。


20巻
「どうして逃げなかったんですか」(嵐)
安吾から夏Aが死者が出る様な選抜だったと聞いて……。
たぶん嵐の中では「不登校したらいいのに」ぐらいの感覚なんだろうなと思う。
不登校は不登校という選択肢があると知って、初めて実行できる。
その選択肢が「ある」と知らなければ、選択できない。嵐の言葉は結構『酷い』けど、たぶん多くの人はそんな言葉を気軽に吐いてしまう。
私も同じだと思うので、気を付けなければ……うーぬ。


22巻
(ちさ)「それって、コネで選ばれたのがずるいって話ですか?」
(花)「そう」
(ちさ)「あらまあ 夏のAの皆さんはずいぶんと世間知らずなのかしら(略)
今度 夏Aの皆さんにお会いしたら 世の中の本当のコネがどういうものなのか 教えてさしあげたらよろしいわ」

   (略)

(ちさ)「お父様があなたと愛しい方を入れられたということは 発言力があったということです。発言力があったということは このプロジェクトのために 身を粉にして働いたということです」


このシーン……『答え』がこれなのかと思ってしまった。


このマンガ家さんの小説「終わらない夜のためのミステリー」の後書きに
『「私たちが小説家になろうと思えば、まず雑誌に投稿して厳しい審査をくぐり抜けなくてはいけない。
なのにあなたはマンガ家だというだけで、そのコネを無理やり行使して、投稿すれば一次審査も通らないようなド下手くそな小説を発表している」というファンレターを貰った。

凹んだけどハッパをかけてくれてるんだよね。頑張る』という感じで書いてあった。


『コネ』という言葉がこの小説の後書きを思い起こさせた。
無関係なのかもしれない。私の気にしすぎなのかもしれない。
けど、ちさの言葉がこの後書きの『答え』のように思えた。

同時にこれが『答え』であるならば、いろんなものを置き去りにしてないか……と考えてしまう。
『身を粉にして働けば発言力が得られるわけではない』世界で、ちさの言葉はとことん残酷で、『裕福層』の言葉にか見えない。

コネが悪いとは思わない。簡単にいえば『自分の大切な人を一番に守りたい』それだけの話だと思う。


夏Aが花をずるいというのも、一般人が試験なしで未来にいる事がずるいというのも、『間違っている』と思うけれども、それを世間知らずと切り捨てるのもどうかと思う。

そして、確かちさは伝外で「やがてお金の概念が復活するから、無料でやってもらえるのは今だけです」とも言っていた。
……いや。その前に、力で押さえつける世界がやってくる方が現実的だと思ってしまった。つまり、女性陣は圧倒的不利なわけで、それをモラルを持って行動している男性陣は宇宙人かと思ってしまう。

ファンタジーで読ませてくれるなら、最後までファンタジーを読みたい。
けれど、中途半端に『裕福層の為の世界』が出てくるので、萎える。

お金の価値観が復活するということは30人の世界で『力(貧富)の差が出る』という事。
それまでの協力して和気あいあいの世界は消えてなくなる。
必然的に秋ヲとちさが有利なわけで……そう考えると、なんかモヤる。



おまけ。
::30人だけが生き延びても、人類が生き延びたことにはなら無いのでは?
これ、何人いたら、人類は死なずに済むのかなと簡単に調べた200~400人ぐらいだそうで。
10か国でそれぞれ30人が生き延びていたら『人類』としては生き延びそう。
ただ、「日本人」としては?と考えると、30人は少なそう。


そもそも、ほたるちゃんとひばりちゃんは親戚同士なのだから、血が近い……血が近い人間を入れるのは、ありえないと思う。
野球人が二人も入ってたり(一人は死亡しているケド)も…能力もいろんな能力の人間を入れた方がいいと思う。
けど、たぶん、野球人は作者の好きなものを入れた結果かなと思ったりする。
うーん。でも百年でいいのなら、30人でも大丈夫そうな気がするけど……どうなのかな。



::もしも……。
海外に7SEEDSのようなプロジェクトがあったら、たぶん「カウンセラー」はどこかに入っている気がする。
カウンセラーがいないのは日本的だなと思った。
医者っぽい人はいるけど、ケガや病気に対するアプローチがほとんどで、心理面を担当する人間はいないし。
いないから、伝外では「休日なし」で働く……という、恐ろしい事態になってるし。
とことん、日本っぽいなと思う。



そんな感じで、感想終わり。


長々書いちゃった―――。



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