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「君色パレット いつも側にいるあの人」を読んで

|2026/09/25

「君色パレット いつも側にいるあの人 絵:佳奈」を読んでみた。

4つの物語が載っていた。
・姫のゆびさき       作:高田由紀子
男の子が女の子の指先にネイルを塗る物語。女の子の欠損した指先を眺めながらネイルを塗る男の子……すごくキュンとしてしまった。(爪がない部分は塗ってない)
男の子らしさの話を中心に、女の子の『ない指』の話もうまく絡まっていて、物語の作りもうまい。

……ただ野暮だとは思うけれど、現実は『男性ネイリスト』の需要は小さい。女性はやはり女性が良いと思ってしまうんだよね。これは単に加害リスクを考えての事であって、男性が悪いというわけではないのだけど。手を握ってると変な気を起こす人もいる可能性もあるから。『男らしさ』とは別の理由が大人にはある。

この物語は小学生主人公+相手は幼馴染+ここでだけという状況が揃ってるから、読みやすい。

・落っこちそう。      作:光用千春
卒業最後の度胸試しをするはずが、崖から落ちそうになる話。
これも『男らしさ』の物語。小学生設定がピタッとはまる良い物語だなと思った。ちょっとした誤解と、人へのからかいなど小中学生辺りにはよくある人間関係がまとまってる気がした。

・本日のスペシャルディナー  作:小手鞠るい
夕飯を父の恋人と一緒に食べる話。
アメリカに暮らす日本人の子の物語。『外国人』について考えるものなのだろうけど……なんだろ。物語の空気がいまいち合わなくて、頭の上を全て飛んでいった感じ。
悪くはないのだけど、なぜか私には合わなかった。

・にじいろ         作:いとうみく
ママとカカのいる女の子のお話。
同性愛者の親を持つ子どもの物語。父親は出てこないのかなと思ったら、ちゃんと出てきた。それでも好きな人と暮らしたいと決めたママ。その幸せな暮らしを尊重したいという父親の態度も素敵だ。さらに『子どもはそれを選択していないから私たちが守らないといけない』というママの姿勢も。
短い中に全部がぎゅっと詰まってる濃厚な物語だった。


多様性をみつめるショートストーリー。小さなズレから、はっきりとした違いまでいろんな物語が詰まってるのが良い。『小さなズレ』は大人には伝わらないことが多いから尚更、子供には必要な物語だと思う。
ごちそうさまでした。


『君色パレット いつも側にいるあの人』

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