編集

「君色パレット ちょっと気になるあの人」を読んで

2026/09/21

「君色パレット ちょっと気になるあの人 多様性を見つめるショートストーリー 絵:佳奈」を読んでみた。

4つのお話が載っていた。

・日傘の君   作:戸森しるこ
対物性愛者のタピ岡と恋人のキョウコさん(日傘)と片寄(主人公)の物語。
対物性愛者を持ってくるのかと思ってしまった。でも、この物語だと『愛着ある物』と『恋人』の境がわからない。結局、わからないまま終わってしまう。『全部が理解できるわけではない』のだとしても、この書き方だと物の処理(分別処分)すらできないことが『対物性愛者』になってしまうのでは?とモヤモヤする。

・親がいる。  作:ひこ・田中
コロナで親がテレワークになり、親の意外な一面を知るアカリの物語。
そっか。普通の子どもたちはこういう感覚なのだとハッとさせられてしまった。親が自営業で仕事に引っ張り出されていた子供だった私は『親の仕事の顔』も見て育ってきてるから、そういうものだと思ってた。……会社勤めだと見る事はなくて新鮮で複雑なのね。

・恋になった日 作:吉田桃子
家庭科室でのノートのやり取りの物語。
知らない相手と文字だけのやり取り……素敵だけど、大人な私は『家庭科室に鍵はかかっていないの?』と思ってしまった。調理器具もあるだろうし鍵がかかっているものだと思ってたけど、学校によって違うのかな。

・halo blue!  作:魚住直子
閉店する洋品店で店番する子の物語。
3つの物語が最後でふわっと戻ってくるシーンが素敵だった。こう繋がるのかと。そして、最後の物語の強盗さんとのやり取りもいい。『見た目なんて気にせずに自分の好きなように』というものが根底にあるんだろうけど。2話目だけ色のセンスがないと難しいなと思ってしまった。

『多様性を見つめる』というテーマの通り、多様性を描いているのはわかるけど気を付けないと偏見をばら撒いてしまうだけになることにも……。日傘はそういう意味で難しい気がする。親や恋はそこまで難しくなくて日常に馴染む。青は物語の仕掛けが面白いし、テーマがしっかりしていて読みやすい。

ごちそうさまでした。

君色パレット ちょっと気になるあの人