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「三日月の魔法をあなたに」を読んで

2026/09/21

「三日月の魔法をあなたに 作:村山早紀 絵:サクマメイ」を読んでみた。

タイトルと絵からファンタジー系のお話かなと思ってたけど……正直、途中で何を読んでるのかわからなくなってしまった。

主人公、飛鳥は十歳の誕生日を迎えてから、『へんなもの』が見えるようになる。公園の怪盗や庭の手入れをする人形……。それらを『みえなくしたい』と願ってルマのお店へと向かう。そこで、ルマは自分は吸血鬼だといい、この街を守護していると教えてくれた。飛鳥は「本当に見えなくなりたいの?」と聞かれて、考えてしまう。

……ここまでで約半分。ん??ルマの店に行って、解決じゃないの? ルマが吸血鬼であることがこの先に関係してくるの? 見えてるものが可愛すぎて、ルマじゃないけど「見えなくなりたいという気持ちの本気度」が全くわからない。
お店で見えているものも『ちょんまげを結ったお兄さん』という怖いのか笑えるものなのかよくわからない物。

これで、『見たくない』と言われても、まったくわかんないなと思ってたら、話は意外な方向へ転がっていった。

怪盗さんには昔、愛を誓った人がいた。その人がいたから、この街に戻ってきたことがわかる。そして、庭の手入れをするお人形がいる館がその女性の住んでいた館だったことがわかる。お人形は主である女性が怪盗さんと一緒に行かなかったのは、誤解だと飛鳥に伝える。飛鳥は、怪盗さんを館に連れていく、しかし、お人形の悲しみが暴走してしまう。そこに、ルマが現れ、悲しみを消し去る。一件落着。

……飛鳥がもう少し推理をしてくれたら面白いのにと思ってしまった。全部が『偶然そうなった』というだけの話で、何が起こったのかわからなかった。

一番矛盾しているのは、『飛鳥の姉は花言葉を知っているのか、知らないのか』
「お姉ちゃんが知識がなさすぎるんだよ。花屋の娘としては、一般常識として、メジャーな花の花言葉くらい、おぼえてないとでしょ?」16p(飛鳥が姉に言う言葉)

そういえば、あたしは花言葉を、小さいころに、お姉ちゃんから教わった。86p

どういうこと?メジャーな花言葉をしらないのに、教えてもらうほどマイナーな花言葉は知ってるという事? ついでに16ページでは姉は花言葉をネットで調べると言ってるくらい、知らないことになっている。
春野さん(館の女性)に教わったいくつかだけを姉は覚えていて、そのいくつかだけを飛鳥に教えたということなのだろうか。

前半と後半の話がぶつ切りにしか見えなくて、接続が悪い。吸血鬼設定も『昼間寝てる』のと『背中に翼』ぐらいしかなくて、何の意味があるのかわからない。ファンタジーっぽさが必要だったのかな。

タイトルの『三日月の魔法をあなたに』も意味がわからない。誰が魔法を使ったの?誰に向けて?『あなた』って誰の事だった?『三日月の魔法』って何?……鎌の事か?

視点も飛鳥とルマに切り替わるけど……切り替える必要あったの?飛鳥だけで良いと思うんだけど。
でも、小学生向けなら雰囲気で押しだせるから、こんなものかなと思う。……いや。私、小学生の時もひねくれてたから、こういう雰囲気だけの作品大嫌いだったんだよな。しかも、その雰囲気も『最後の戦闘シーンのために頑張った』みたいなものにしか見えなかった。ただし、私には最後の戦闘シーンが一番雑で要らないから、『わかりやすい結末』だけ書いてくれた方がマシと思った。人形の暴走が一番意味がわからない。

児童書とはいえ、物語の作りが雑過ぎて食えない。
ごちそうさまでした。


三日月の魔法をあなたに