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「本の歴史文化図鑑」を読んで

2026/07/28

「本の歴史文化図鑑 著:マーティン・ライアンズ 監訳:蔵持不三也 訳:三芳康義」を読んでみた。

図鑑に相応しく、大きくて重い……手首が疲れてしまった。
内容は本の歴史が一通り載っていた。写真も多くて分かりやすい。ただ、近年…電子書籍になるとまだ歴史が浅いせいなのか駆け足な感じもした。でも、内容は盛りだくさんで個人的には大満足。

第1章 古代と中世の世界
ここでは、どのようなものに『記録』がなされてきたかという事が地域ごとに書かれている。主に書く理由は『記録』であり、現代のような物語が書かれることは珍しかったと。さらに現代のような『紙(植物から作る紙)』ではなくて、動物の皮でつくる『羊皮紙』や『布』『竹』『石』など、様々なものに書いていたとあった。……楽しい。いろんなものに書けるんだ。現代のような本の原型のようなものはまだなくて、紙『パピルス』の綴り方も蛇腹折りが多かったと。もしくはバラ(綴らない)
そして、インクもそれぞれの素材に合わせて探求されていたと。本って、本当にいろいろあるんだなと思ってしまった。そして、文字も色々。

第2章 新たな印刷文化
印刷技術自体はいくつかの地域で同時的に発明されたのではないか……となっていた。よくわかってない部分があるらしい?? 歴史の全てが記録されてるわけでもなければ、残るわけでもないから、『わからない』部分なのかな。
いろんな改良をいろんな人たちが加えて行ったからよくわからない……みたいな感じかな。
印刷技術が発明されても、まだ手書きで写す書写の方が多かったと。紙も古くなるので、そのまえに新たに書き写して残す……気の遠くなるような作業だなと思ってしまった。また、口伝も残っていて文章にしないものもあったのだとか。文字があるのに口伝頼りにしちゃうのか。
印刷技術があっという間に世界を変えたわけではない。15世紀以降あたりの話。

第3章 啓蒙思想と大衆
印刷技術が徐々に広がり出版の世界の広がりとともに読み書き能力も広がっていく……という事が書いてあった。もちろんそこには『大衆化』してしまったために、それまでの教養ある人たちの嘆きや嫌悪も出てくる。
……インターネットの世界の広がりで感じたような事は印刷と出版と読み書き能力の広がりでも起きていた事なんだな、と改めて思ってしまった。人間ってそんなに高尚なものではない。
そして、印刷技術の広がりとともに為政者たちが自らの権威の墜落を恐れて検閲も厳しくなって行ったと。全てがめでたしめでたしではない紆余曲折の時代。18世紀以降あたりのお話。

第4章 出版者の登場
さらに印刷の機械化が進み、大量の印刷ができるようになり世界でも大量に売れる本が出てきた時代。まだ、著作権や印税というシステムがなく、作家は作品を渡した時にだけお金を得るので、売れても売れなくても作家にはお金が行かなかった時代がある……となってた。
『アンクルトムの小屋』のストウ夫人もその時代だったので、売れたのに本人に入るお金は少なかったと……。印税システムがないなんて。。著作権もないので、海賊版を作り放題。
通りで、海外では海賊版への嫌悪が強いのかなと思ってたけど、歴史的に海賊版が著作者の権利を踏み倒してきたという事実があるのね。たぶんこれは言語が近くて翻訳が容易だったことも理由じゃないのかなと思うけど……そういう話が載ってる本ないかな。探してみようっと。
19世紀以降のお話。

第5章 万人のための知識
かなり現代に近づいていて、どんな出版社がどんな戦略で世界に本を売り出したか……というような話だった。そこから、現代の電子書籍まで……ここから続くなら、次はAIの章が出来そうと思ってしまった。
ただ、デジタル化は今までの出版文化を良くも悪くも大きく変えたらしく、紙の本の売り上げは減っている。……それだけではなくて、他の娯楽とも競合しなくてはならず、『文字を読む負荷』は他の娯楽と比べると不利なのかなと。
本はデジタル書籍が新しい世界を作るのではないかという話で終わり。
でも、個人的にはAIの登場で新たな海賊版の登場という紙の印刷技術で起きたことが再び起こりそうだなと思う。さらにここに自動翻訳で言語の壁も崩壊するので、マイナー言語であってもターゲットの一つでしかないという最悪状況がありえそう。言語の壁を越えちゃうとチェックも難しくなりそうだし、素人個人が作品を作れる電子書籍の時代と違って、AIは素人個人では自分の作品は守れそうもないという新たな時代になりそうな気がする。


面白かったけど……知りたいのは印刷技術の機械の仕組みなので、ちょっと違う。他の本を探すかな。本のアレコレは楽しい。
ごちそうさまでした。


本の歴史文化図鑑

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