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「ぼくは戦争は大きらい」を読んで

ぼくは戦争は大きらい: やなせたかしの平和への思い  単行本 – 2013/12/17 やなせ たかし (著)
ぼくは戦争は大きらい やなせたかしの平和への思い

「ぼくは戦争は大きらい 著:やなせたかし」を読んでみた。

図書館の企画コーナーにあった本。母が気に入ったので借りてきた。

やなせたかし先生の戦争体験の話。短くて読みやすくて、コミカルで楽しい。あっという間に読んでしまった。資料もたくさんついていてわかりやすい。
気軽に読みたい時にお勧め。

『はじめに』にはこんなことが書かれていた。
『戦争を語る人がいなくなることで、日本が戦争をしたという記憶が、だんだん忘れ去られようとしています。人間は過去を忘れてしまうと同じ失敗を繰り返す生物です。』3p
これ……歴史を忘れることで人は戦争をするって、最近、他の記事でも見かけた。

忘れちゃいけない。語らないといけない。経験者がいなくなっても、経験者の代わりに『戦争はダメ』だと言い続ける社会を続けたい。

戦争は戦争だとわかるけど、平和は平和だからわかんないんだよな……それが一番怖い。 

本の中身は兵隊になって、戦争に行って、帰って来るまでの話。やなせ先生は運がいいことがわかる。寸前で激戦区に行くのを避けていたり、行った先の住人たちが快く迎えてくれたりと……いや。他の地域だったらそれ無理だよね。という話が続く。
不穏になるのは、銃撃に一度だけあった話と、物資を節約するために食べることが出来なかった時期の話。あとは、弟が特別任務で最後のあいさつに来たというあたりの話。この弟さんは亡くなってしまう。

ところどころ、『やっぱり戦時中だ』と思わせるシーンはある。平和な世界とは言えない。戦争はどこを向いても戦争しかない。

『おしまいに』では
『アンパンマンとばいきんまんは、食べ物とばい菌です。だから、仲良くしてもらっては困るのです。それでも、彼らはマンガの中でともに生きています。』139p
『ぼくが『アンパンマン』の中で描こうとしたのは、分け与えることで飢えはなくせるということと、嫌な相手とでも一緒に暮らすことはできるということです。』141p

アンパンマンはそういう物語なのか……と思ってしまった。私が最初に見たアンパンマンは可愛くなかった(今のような可愛い姿ではなかった)
だから、好きではなかったのだけど、あっという間に姿が変わって今では大人気のキャラクターになってるの不思議だ。

ばいきんまんもばい菌だから仲良くできないとなってるけど、発酵食品の菌だったら仲良くできたのかもしれない。ばいきんまん、発酵食品の菌に改造する計画になったら面白いのに。イースト菌になってみるとか……アンパンマンの物語が壊れてしまう。

でも、たぶん、そういう事なのだろうなと思ってる。
あとはばい菌のままでも、数が少なければ無害で共存はできる。というか、世界はそんな感じで共存してるんだよな……。相手を絶滅させて生き延びてるわけではない。


読んでよかった。ごちそうさまでした。

ぼくは戦争は大きらい

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