逆襲する宗教 パンデミックと原理主義 – 2023/2/9 小川 忠 (著)
「逆襲する宗教 著:小川忠」を読んでみた。
コロナ禍のそれぞれの国の宗教について書かれている。
同時に簡単に歴史も書かれてるのであの戦争や紛争の元はこの辺りにもあるのかと思って読んだ。ただ、『簡単に』『わかりやすく』書かれてるので、おそらく実態はもっと複雑なものがあるのかもしれないとも思う。
序章 世界の宗教復興現象
科学や経済の発展と共に宗教は衰退すると予測していたものが、今はそうではないということが書かれている。世界的な流れとしてがざっとわかる。
第1章 キリスト教(プロテスタント)
主にアメリカの話。キリスト教もいろんな宗派があって考えが違う部分もある。トランプ大統領を応援する層がどういう層なのかも書かれていて、なるほどと思った。
第2章 ユダヤ教
イスラエルの話。ユダヤ教は古い宗教の一つらしいけど、もうなにがなにやら。そろそろついていけなくなっている。
第3章 ロシア正教
ロシアに関する話。ウクライナや周辺の国との関りも書いてあって。戦争が起きた理由の一つが宗教にもあったというのがわかった。
第4章 ヒンドゥー教
インドの話。インドといえば仏教なイメージだけど、実際には他宗教でヒンドゥー教が一番多い。イスラム教とも争いがあって、パキスタンとインドは分裂した国というのも分かった。宗教の争いってあちこちにあって、わからない。
第5章 イスラム教
中東・中央アジアの話。……もう無理。何が何だかわからない。大半の人は意外と穏便というぐらいしか読めなかった。
第6章 もうひとつのイスラム教
インドネシアの話。宗教と政治(ワクチン)の話が分かりやすくて読みやすかった。宗教のお墨付きがないとワクチン接種しないというくらいには宗教が入り込んでいるのすごいな。
終章 コロナ禍で日本に宗教復興は起きるか
最後は、日本。日本が一番わかりやすい。実感としても宗教の影響は薄い。日常に入り込んでるものは多々あるけど、宗教が何か言ったから国民が動くということはあまり聞かない。
うちの父も『コロナは中国の実験失敗の結果』だと言っていた時期があった。たぶん、そういう話をしてる人たちと関わってるのだろう。だからといって、何ってことはないので放置。
地方の小さな行事や祭事がどんどん消えているというのは実感している。私の住んでる地域でも『地蔵祭り』が消えた。この祭りは地域での小さな祭りだけど、田んぼが広がる地域でさえ『地域の繋がり』なんてものは風前の灯火。『田畑に従事しない住宅地の人』が入って来ると、人は増えるけど行事は消える。彼らは『地域の事』よりも『自分の生活』が大切だから。それを批判するつもりもないし、私もその気持ちはわかる。こういうのはつなぎとめるのが難しい。『共同体』としての感覚なんてものを持ちえない人を説得することはできない。
こういう小さな行事もある種『宗教』なのかなと思うと、個人的には衰退一択な気がしている。本では宗教復興の希望はあるとなっていたけど、感覚的にはそれは見えないなと思う。
あとがきでも元首相の事件について書いてあったけど、この事件は宗教が家族(個人)の孤立を招いて起きている。日本の場合『一時の流行のスピリチュアル』として話題になっては事件が起きて宗教を忌避する。この事件も宗教を妖しいものとみなすものになるのではないか……となっている。
見慣れない単語が続いて疲れたけど、宗教のことを簡単に知るにはいい本。