金曜ロードショーで入っていたので見てみたけど、『ギフト』に『ビジョン』と……西のはての年代記で出てきた用語が満載で何か繋がりが?と思ってしまった。
でも、『ギフト(魔法・特別な力)』も『ビジョン(未来視)』もそういう意味の言葉なので、私が本を読んだ後だったためにそう感じただけだと思う。
物語は『家族』をテーマにしているので尚更……特に主人公のミラベルがオレックと同じように見えてしまう。『ギフト』のオレックの父親に認めてほしい気持ちと、ミラベルがおばあちゃんに認めてほしい気持ちや、『ギフト』の一族が村を守るというのと、ミラベルの村も一族が守っている……という点など。細かな点で重なっている。
家全体が崩れ、一族みんなの力が失われるというのがミラベルの物語なので、そこまで来てやっと違うんだなと思えた。
少し感想を見てみると、『ミラベルの扱いが酷くて、あのまま家を出る結末の方がよかった』というのを見かけた。
この点もある意味では分かる。けれど、あれは『家族(主におばあちゃん)が間違いを認めて進む』というおばあちゃんの物語でもあるので、家を建て直してギフトが戻ってくるしかないのではと思う。
私は物語には『最初から結末が決まっている物語』と『最初から結末が決まらない物語』があると思ってる。
映画などは『結末が決まっている』ので、大きくあっと言わせるものはあまりないような気がする。この『結末が決まっている』というのは、映画は『魅せる』ためのものなので、『万人が分かりやすいもの』がいいというぐらいの意味合いで書いている。
最初から家族が仲良く、『家族の為に』と動いている主人公が家族を放り出すなど万人(特に家族を大切にする欧米など)では受け入れがたい。というわけで、この映画はこれでいいのだと思う。
家族から離れる物語がいいというなら、『ギフト』の本をお勧めする。(この場合は映画のお勧めがいいのかもしれないけど、映画はあまり見ないので思いつかない)
毒されてる? うん。毒されてる。『ギフト』素敵すぎた。