性役割/性別表現 (LGBTだけじゃない!わたしの性)
– 2023/2/1 佐々木掌子 (監修)
「性役割/性別表現 監修:佐々木掌子」を読んで
ジェンダーステレオタイプの話と性役割の話。
男性と女性の対比で書かれているけど、これ人種でも同じような事が言えそう。日本人っぽくない姿の人に英語で話したり『日本語上手』と言ってしまうのも日本人というステレオタイプがあるから、そこから外れる人を『日本人ではない』と判断して間違えてしまう。
勝手なイメージは男女だけではなくて、海外にルーツを持つ人や障がい者に対しても行われている。当事者としてそこにいても起こりえる。
女性が女性に対して「化粧をしないとおかしい」というのもある意味、押し付け。
性役割の話で、スポーツの話がでていたけど。『女性は激しいスポーツが向いていない』と思われていたけど、今は女性のプロ選手がいるという話で『今は向き不向きを決めつけることは少なくなっているよ』とまとまってるけど、これ性差はあるので女性のプロ選手でも男子高校生に負けるスポーツはある。それくらい性別による肉体の差は存在するとは書いてくれないんだなと思った。
性別による差はないように書かれてるのは違和感がある。
さらには『トランス男性も出産をしたい人はいるけど、女性としての性役割を担いたいわけではない』という事も書かれていた。
女性だって別に女性の性役割を担いたくて出産するわけじゃねーぞという気持ちに。
なぜトランス男性だけ引っ張り出して、『トランス男性は出産後も男性として生きている』になるのか。何をして『男性として生きている』になるわけ? 出産後にすぐに仕事に復帰するから?それ、女も同じような人いるだろうが。じゃぁ。彼女たちは『男性として生きてるのか』と言われたら、そうじゃないだろうし……。
『トランス女性』の女性スペースへの侵入も問題だけど、『トランス男性の出産』も『女性の不安と変わらない』はずなのに『トランス男性だけの特別な話』になるのおかしい。そんなに『女性は不安が何もなく平気で妊娠出産している』とでも思ってるのだろうか。
『下から出すの不安じゃない?』と質問されるドキュメントを見たけど、それ、女性も不安だからな―――。と突っ込みたくなった。初産の女性にももちろん、同じこと聞いてるんだよな?トランス男性だから聞いたわけじゃないよな?
もちろん、『トランス男性だから引き受けられない』と病院から拒否されたという点だけを見ればトランス男性ならではの苦労かもしれないけど、でも双子とか多産の場合も病院からの拒否はあるというのを見かけるので『理由があって拒否を受ける』という事自体はそう珍しいものでもないのかもしれないと思う。
でも妊娠・出産時の『男性としての扱い』って本当にどういう事なのよ?とは思う。妊娠・出産時に女性としての扱いをそんなにされるものなの?
むしろ女だから『痛みに強いと思われて放置』とか『不安で病院に行っても、「こんなことくらいで不安になるな」と怒られたり笑われる』みたいな話しか聞かないのだけど。
男だから痛みに弱いと思われて、不安にならずに出産に挑めるなら、そんなにいいことはないと思うよ。←嫌味になってしまう。
話がズレるので戻すと、書いてあることは分かるけど細部がおかしい。
ジェンダーアイデンティティと同じく、子供に見せるには情報が若干偏っている本。一通りの知識は書いてあるけど、他の本と合わせて補足が必要。