ジェンダー・アイデンティティ (LGBTだけじゃない!わたしの性)
大型本 – 2022/7/4
佐々木掌子 (監修)
「ジェンダー・アイデンティティ 監修:佐々木掌子」を読んで
ジェンダーアイデンティティについて書いてある。
主にトランスジェンダーについてと、周囲がどうしたらいいかという事について。
差別するつもりがなくてもしてしまうものだから、気をつけようという事やカミングアウトについても書かれている。
最後にある『ジェンダーブレットパーソン』をここに書いてみる。
……その言葉の説明がないけど、『自分はどんな性なのかを知る表』みたいなものをさしているのだろうか。(数字は1~5)
・ジェンダーアイデンティティ
男 0
女 0
他の性 0
・性的に好きになる相手
男 0
女 0
他の性 0
・恋愛的に好きになる相手
男 0
女 1
他の性 0
・性別表現
男 5
女 1
他の性別 0
・からだの性
男 1
女 5
他の性 0
……他の性という欄は一体何?
そして、相手の性別を決めつけるなというのだから、恋愛や性別で好きになる相手の性別は決めつけにはならないのだろうか? 建物を性的に好きになるとか、他の動物に対して恋愛的に好きになるという場合はどうするの?
性別で決めつけはよくないという話は、『恋愛で好きになる相手の性別を決めていることも差別』という話になりかねないけど、その辺りはどうするんだろうといつも思う。
トランスジェンダーの説明は、いつも分からない。
『身体の性別』だけで言うなら、私の外見は男性寄りらしく子どもたちから『男性』と言われるけど。これは身体男性というのか?といえば、そんなわけないわけで。
体の性別と戸籍の性別が別の人はいない。医療的には男女きっぱりと分かれるのだから『出生時に振り分けられた』って勝手に振り分けられたように書くのはどうなのだろう。医療的にも『性別』は必要な情報だし、戸籍の性別を変えて医療サポートを失う方が生存や病気のリスクが高まると思うのだけど。
性別なんて『外性器や体の形だけ』と思ってるの怖すぎる。内臓から骨格まで性別による差異はある。性器がどちらもあるという個体も存在することはあるらしいけど、大体性器の形の異変は内臓の異変なども相まってるらしいので、男性器と女性器が両方あってどちらも正常に機能してそのほかの臓器はまともな形の個体……というのは奇跡らしいが、存在しているのだろうか。それでも染色体で性別判定は出来るので、男女どちらかを指すハズ。
ホルモンやその他の異変(外性器の変化)などはあるけど、性別は変わらないというのが現代医療の結論という事まで書いて『性別は心の中でだけ変わる』にしてほしい。
心の中は自由なので、『人間ではない鳥だ』というのも『腕が三本あるはずだ』というのもあり。形の変形というなら人体改造なり、整形手術などと同じ話……なのではないかと思う。
あと、『自分をどんな風に扱ってほしいか』という話に『男だから』とか『女だから』という話が入り込むことが差別になりそう。『男でも女でも』なくて『自分だからそう扱ってほしい』で充分な話。
つまり、トランスジェンダーという存在自体がある意味で『女性はこう』『男性はこう』という差別的価値観に基づいた存在になってしまうのでは……という身も蓋もない考えがよぎる。
基本的な知識を得るために読むには十分だけど、これ、子どもに読ませたいかと言われたら……他の本や情報と一緒にでないと危険かなと思う。
身体を変えると言う点だけを見るなら、醜形恐怖症と同じような気がして……やはり私はトランスジェンダーという存在が分からない。
もしかしたら、百年後には全く別の名称がついて全く別の対処法が出来ているかもしれないのがトランスジェンダーのような気がして、子供に詳しく教えなくてもいいのではないかとも思う。
『見た目だけで性別を決めて扱われたくない人がいる』とか『女らしさ』や『男らしさ』で決めつけはよくない程度なら伝えるけど、それ以上は別にいいかな。
お勧め……とは言えない本。