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「ラストで君は「まさか!」と言う 望みの果て」を読んで

2024/02/27

ラストで君は「まさか! 」と言う 望みの果て
 (3分間ノンストップショートストーリー) 
 – 2017/12/13 PHP研究所 (編集)

「ラストで君は「まさか!」と言う 【望みの果て】」を読んでみた。

3分間ノンストップ ショートストーリーというサブタイトルの通り、サクッと読める短編集。児童書らしく可愛い話が多い。


今ずっと考えているのが『トランスとは』というもので、この中にも一作「女子会?」という短編で書かれていた。
仲良し4人組の中の美少女が、突然「心の中は男なんだ」と言って、足を組んで座りテーブルに肘をついて、短髪のかつらを取り出す。
分かりやすい『男らしさ』だけど、なぜそれが『男なのか』が私はずっと疑問だ。心の中の男性や女性と概念は聞けば聞くだけ『性的役割を元にした文化的価値』の範囲内から逸脱しない気がする。
足を組む女の子がいてもいい。肘をつく女の子がいてもいい。短髪の女の子がいてもいい。なぜそれが『男』として語られなければいけないのか。

この作品だけが、モヤッとした。

けれど他は最後でどんでん返しがあり楽しめた。残念ながら大半が予測がついてしまうが、それでも面白いと思える。
タイトルにある『望みの果て』は、仲間で願い事をし合う話なのかと思えば、意外と闇が深い話だった。でも、私の好み。
他の話も『願い事をした結果』というような話が多い。

『数学・実践問題』は解いてみようと思ったけど……解き方が分からなかった。中学の問題のはずだけど、難しい。
X-{0.3X+0.9(0.3X)}=22
X+{0.3X+0.9(0.3X)}=22
少し考えたけど、めげた。エックスは何?


そして、最後の作品「さすらうページ」
最後を飾るにふさわしいお話で読んでいてぞくぞくしてしまった。本好きにはたまらない。読んでもらえなかった本の登場人物たちの呪い……のお話。



楽しく読ませていただきました。

『ラストで君は「まさか! 」と言う 望みの果て』