優しい密室 (講談社文庫)
– 1983/8/1 栗本 薫 (著)
「優しい密室」を読んでみた。家の本棚にあったので、母のかなと思ったけど年代からして弟のだと思う。
読んでみた感想は面白かったの一言、
続けて欝々としたものを読んでしまったので『そう、こーいうのが読みたいの!!』と思いながら読めた。
主人公の推理は色々と抜けている……ような気がしたけど、高校生ならこんな感じだろうし、等身大の高校生の姿っぽくっていい!!と思えた。
所々、古い感じがする部分はあるケド、それは書かれた時代を考えるとやっぱり『そんなもの』だよねと思う。ひとクラス50人越えって……私経験ないんだけど、私が生まれた頃ってそんなものだったの??と思いながら読んだ。
携帯電話がないのも新鮮。公衆電話が一つのキーポイントになってるのでそれがまた……時代を感じる。でも、それもいい。
とにかく、こーいう『普通』の話が読みたいと思っていたところに『普通の話』の物語がやって来たので、読んでいて心地よかった。
抜けている推理も、キャラも、事件も、全て読んでいて不満のない作品。
面白いけど、私の好みかと言われたらそこからは少し外れている。でもそれは、あくまで私の個人的好みの話であって、面白くないわけではない。
スマホのない時代の女子高生の推理ものという王道の物語という感じだった。