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リアリティを求めたら感動できない

2023/07/15

とある恋愛小説を読んでみた。
喋れない女の子と、その子をいじめた男の子の話。舞台は高校。


喋れない女の子に興味があって読んでみたけど……色々と幸せな話だなぁと思った。
簡単に『絶望した』みたいな言葉がちりばめられてるけど、絶望したからって何か変わるわけでもない。
ただ、元通り『喋らない』だけ。
『自分に未来はない』と言いながら、その言葉には『今』がある。
そして「誰とも関わらずに生きていく未来」がある。
……それはね。未来があるっていうんですよ。生きてる未来が想像できるなら、それで十分じゃないか。


現実を見るなら「誰とも関わらずに生きていく未来」なんて存在しないわけで
せいぜい「親のすねを一生かじる未来」だろうか。
なんか「誰とも関わらずに生きていく未来」とか意味不明過ぎのお花畑にウンザリした。
高校生設定だよね?小学生じゃないよね?と何度見直したか。


で、喋れない女の子は病気なのだけど、最後の辺りで
「喋れない病気なのに、いじめてごめん」
みたいなシーンがあった。

それもなんかな……と思った。
病気じゃなかったらいじめていいの?
謝る点はそこじゃないと思うんだけど……。


病気だからとか病気じゃないとかではなくて、
『いじめ(傷つけ)てごめん』
じゃないのか?
あまりにも女の子の『喋れない病気』をピックアップしすぎてて、他の部分が歪み過ぎてると感じた。


最後の最後で女の子を喋らせるために教室でくすぐるのだけど、それも……暴挙にしか見えなかった。

女の子の承諾なしに喋らせてどうするんだろう?
小学生時代よりこっちのほうがいじめじゃないのか?


病気の話をしたいのは分かった。色々資料(ネットで情報)集めたんだろうなぁっていうのも分かる。
けど、色々とうううううーーん????と思ってしまった。


まぁ。私が素直に読めてないからだろうけど。
素直に絶望と書いてあったら絶望と感じる人なら感動する話なのだろうなと思った。