漫画「夜明けの図書館 作:埜納タオ」を読んでみた。
図書館の漫画。こちらは『レファレンス』がメイン。……レファレンスって何?
『日本語においては参考調査(さんこうちょうさ)・参考業務(さんこうぎょうむ)・参考奉仕(さんこうほうし)などの和訳が与えられている wikiレファレンスサービスから』
情報サービスと呼ぶこともあるらしい……。うーん。わかるようなわからないような。
物語は『利用者が欲しい本を探すために悪戦苦闘する司書さん』という形で進む。その中で、利用者さんの家族や背景が見える。静かで読みやすい。
つい『税金で買った本』と比べてしまう。
1巻
一冊4話のお話が入ってる。
初っ端から郷土資料探し。いや。郷土資料の方が質問が来やすいのかな。その土地の事なら図書館で調べた方が手っ取り早いものね。
私も図書館でいろいろ借りてるけど、郷土資料だけは少し雰囲気が違うスペースになってて、足を踏み入れにくくて『借りたい本リスト』の中に入れたままにしてる。他の棚とちょっと違うんだよな。
次は崩し字で、3話目が光る影の謎……。その現象知ってたから、認知度高いかと思ってたけど、そうでもないんだなと。私が知ってたのは身近に山があるせいか。
最後の4話目は怖い話かと思えば、『地元の伝承』なので郷土資料だった。そんな切り口があるのかと思ってしまった。
老人から子供までいろんな人が出てくるのは楽しい。
2巻
5話目は絵本探し。利用者さんの事情も出てくるけど、最後に仲直りできるの良いなと思った。
6話と8話は学生さんのお話。それぞれ男の子と女の子が出てきてほのぼのしてしまった。
7話は小唄探し、記憶違いをしていて見つからないというお話。記憶違いよくある。私も歌詞はいろいろと記憶違いしててリズムで覚えてる感じなんだよな。
そして、記憶はどんどん消えて行く。私も消える前に、たくさん読む。
3巻
9話は子供時代に戻って星の本探し。地方によって星の名前が違う。……郷土やその地方の話が多いような。
10話はインコの言っている言葉探し。幼児言葉とも絡めていい話だなと思う。
11話は医療系。真面目さが倍増した感じがしてしまった。図書館員さんに聞けない人もいると気がつくお話。
12話は地域の歴史を探るうちにいろんなものが出てくる。……楽しい。
4巻
13話、蔵書点検。『税金で買った本』にも出てきてたけど、こちらの方が点検数がシビアなような……。そんな中で翻訳本を探す。翻訳本っていろんな人が訳すことがあるよねという話が出てきた。そうそう。と思いながら読んでしまった。どれ読むか困るんだよね。
14話、丸い玉を飾る風習はどこのものかを探す。いや。これ、探偵じゃん!!と思ってしまった。日本のどこかの風習なんて探しきれない……でも、現代機器インターネットはそれを可能にする。図書館もネットワークで繋がってるんだなぁと。レファレンス共同データーベースが気になったので調べてみた。なるほど、みんなこういうのを調べてるんだ。
15話、鬼の絵探し。地方の伝統工芸や芸術の話に繋がっていって、なるほどーと思ってしまった。面白い。
16話、ディスレクシア(識字障がい)の子どものお話。上手く読めず、馬鹿にされて自信を失っていく子供がリアルだなぁと思った。私が子供の頃もこういう子がいた。でも、あの頃はそんな知識もないし、『当人の努力不足』にされてた。彼が本当に『読めなかった』のか『単に朗読が下手』だったのかはわからないけど、でも今思うともしかしてそうだった可能性もあるなぁと思う。
今はそういう配慮があって、一般の人でも調べたら最低限の知識を手に入れられるのもいい時代になったなと感じる。
5巻
17話、高齢者の地元のニュース記事探し。……こういう局地的な情報も探せるのか……でも、実際にはこんなの探すの大変そう。
18話、高校生の起業プランのお話。この小難しいネタを話に組み込めるのすごいなと思ってしまった。調べたり、調査した情報をこうやってお話にできるのがすごいんだよな。
19・20話はダイバーシティのお話。いろんな人たちが出てくる。偏見って難しいし、悪意がなくても人は傷つくんだよな。
6巻
21話、ラジオドラマの原作探し……難易度がどんどん上がる気がするんだけど。実際にこういうの探せるのだろうか。
22話、商標権侵害のお話。起業のお話の時も思ったけど、図書館の人脈って広いなと思う。創作部分なのか、実際にその人脈があるのか謎過ぎる。
23話、古い風景探しのお話。これもまた、あるあるだろうなと思ってしまう。風景って変わっていくんだよな。
24話、ぬいぐるみのお泊り会……。図書館の人たちって大変だねと思ってしまった。
7巻
25話、学校図書館のお話。図書室ではないのね。図書室の方が馴染みがあるのに……。
26話、災害伝承のお話。地元の災害調べ。地名が変わっているという話が出てきてた。古い土地だとよくあるし、新しく来た人は気がつかない。災害があった場所なんて、人が出て行って、新しい人が入ってくるの繰り返しだから『元の歴史を知らない』なんてそこら中にありそう。
27話、子育てのお話。ほんわかするお話。でも、赤ん坊にとって本は『食えるかどうか確認するもの』ぐらいの認識なんだよな。私もかじった絵本が家にいくつかあった。あとは、落書してたり……本ってそういうもの。
28話、、その人のための本のお話。その人に合う本探しが一番難しいという話。
相手が『選んでくれた本』を読みたいので、『わたしに合う本かどうか』は二の次で「面白そうな本ありませんか?」と聞きまくってた時期がある。図書館の人だとそうもいかないんだろうな。個人間なら『好きな本をおススメする』でいいのに。
全七冊。静かで読みやすくて、勉強になる物語が沢山だった。安定した物語で楽しかった。
ごちそうさまでした。
―――






