恋文: 画集・智恵子抄 単行本 – 1996/5/15 高村 光太郎 (著), 高村 智恵子 (著)
「恋文 画集・智恵子抄 高村幸太郎・千恵子―詩・絵」を読んでみた。
智恵子抄は母が好きだから、私も読んでみた。綺麗な言葉とザラザラした感じがたまらないと思う。
詩は高村幸太郎。切り絵が千恵子。たくさんの植物や野菜、魚などの切り絵が詩と共に載っている。どれも細かくて色合いも素敵。病んでいる時期でも状態のよい時に作り上げていったものという説明が最後の方に書いてあった。
幸太郎の千恵子への愛と千恵子の足掻きの闇が合わさっていて切ない。
これだけ才能ある人がこの時代は『女』というだけで踏まれていたと思うと、何とも言えない気持ちになる。そして、それらに無頓着にただ『愛している』と繰り返す幸太郎も悲しい。でも、時代と言えば時代だし、気がつかないから冷たい人でもないんだろうな。
作者たちの時代背景も含めて、全部悲しい。