12時05分15秒 (怪談5分間の恐怖) 単行本 – 2019/3/6 中村 まさみ (著)
「怪談 5分間の恐怖 12時05分15秒 作:中村まさみ」を読んでみた。
怖い話が34篇載っている。
怖い……寒い夜にさらに凍えてしまった。怖い話は夏がいい。
冬のおこたに怪談……足に何かが触れた途端に飛び上がりそうになるので、やっぱり合わない。
東日本大震災の話がいくつか入っていたのは気になった。こういうの今だからあの震災の話だけど、その時代ごとにその時代の事件に関連した『命(霊魂)に関する話』みたいなのはあったのだろうなと思う。
一番、印象に残ったのは『符号』
怖い話を集めて編集してると、怪奇現象が起きたという話。……これ、この本の編集時にも何か起きたのでは?と勘繰ってしまう。
『安全靴』の話で最近はスニーカータイプが主流となっていて、今はそうなのかと思ってしまった。安全靴重いし黒系の色だった記憶しかない。足音もなんとなくイメージできてしまってさらに怖い。
『最後に』では沖縄のガマを荒らした少年たちの事が書かれていた。今の子たちはそのガマの事を知らずに『心霊スポット(怖いことがあった場所)』としか認識していない。それは大人たちの責任だという事が書かれていた。
それはそうなのだろうなと思うけれど、同時に『怪談』ってそういう『怖い話』だよなとも思ってしまった。言い方は悪いけど、『怖い』という強い感情をもたらす情報を先に渡してしまうと、後から『歴史はどうのこうの』『人がどうのこうの』と言っても入って行かない。怪談は『恐怖』を強調して伝える話だから、怪談で歴史や人の思いを伝えようとするのは違う気もする。もちろん、そういう部分も『伝わる時はある』けど、それがメインではないんだよな。
『心霊スポット』を作ってしまったのも、『怪談』だと思う。怪談を話してる人間が『大人の責任』だよねって責任範囲を広げるのはどうなのかなと思ってしまった。
怪談、怖い。
ごちそうさまでした。