怪談えほん おめん (怪談えほん 14) 単行本 – 2021/5/19
夢枕 獏 (著), 東 雅夫 (編集), 辻川 奈美 (イラスト)
絵本「おめん 怪談えほん14 作:夢枕獏 絵:辻川奈美 編:東雅夫」を読んでみた。
『いやなやつ いるよね。』という不穏な言葉で始まる物語。
やがて、お面をつけたら相手を不幸にできるとささやかれ、お面をつけると相手が不幸になる。それが楽しかったのに、気がつくとおめんがとれなくなっている。やっと、おめんは取れたけれど……。
表紙は女性が花を持っている絵。不穏な空気はない。中の絵も、わかりやすくて綺麗で見ていて楽しい。でも、最後のページの絵は衝撃的だった。おめんは不気味すぎる。
そこまでが綺麗だったから尚更、最後のページの気持ち悪さが際立つ。
そして、不思議な呪文のような言葉も物語に合っている。意味は分からないし、意味はないのかもしれないけど、音が人を呪う呪文っぽい濁音多め。こういうの楽しい。音読する時には楽しいだろうなと思いながら黙読した。
不穏と不気味が混ざったお話。ごちそうさまでした。
絵本『おめん 怪談えほん14』