怪談えほん (8) くうきにんげん 単行本 – 2015/9/18
綾辻 行人 (著), 東 雅夫 (編集), 牧野 千穂 (イラスト)
絵本「くうきにんげん 怪談えほん8 作:綾辻行人 絵:牧野千穂 編:東雅夫」を読んでみた。
どこにでもいる『くうきにんげん』のお話。
淡々としたくうきにんげんの説明に、最後だけ言葉が被っている。怖さはあまりないけど、最後にその説明をしているのが『くうきにんげん』自身だとわかる。ふたりがかりで人間を襲うから、最後の言葉が被っている=もう一人いるということだとわかる。
襲われた人間は空気になる……。じっくり考えてしまうと怖いのかどうかは微妙な気もするけど、文章の仕掛けが上手くてじわりとした怖さはある。
絵は白いウサギ頭の人間の絵。これがくうきにんげん?と最初は思わせるけど、たぶん、『くうきにんげんからみた人間の姿』なのかなと思う。だって、空気になると『見えない』のだから。
仕掛けが凝っていて好き。ごちそうさまでした。
絵本『くうきにんげん 怪談えほん8』