きみは、ぼうけんか 大型本 – 2024/2/16
シャフルザード・シャフルジェルディー (著), ガザル・ファトッラヒー (イラスト),![]()
絵本「きみは、ぼうけんか 文:シャフルザード・シャフルジェルディー 絵:ガザル・ファットラヒー 訳:愛甲恵子」を読んでみた。
アクティブに冒険するお話かと思えば、『戦争で親を亡くした子供たちが行き場を探す物語』
お兄ちゃんが妹に「たんけんかになって、たんけんかのまちにいく」と言って壊れた家から連れ出す。絵で現実を、文章で子供たちの想像力を伝えている。文章だけを読むとワクワクしてしまうけど、絵は戦争の結果を表していてギャップを感じる。
お兄ちゃんが妹を励ますために、いろんな想像力を駆使して説明しているのが素敵だ。でも、最後には苛立ちを隠せずに妹に対して怒鳴ってしまう……。そして、次は妹が兄を励ます。お互いに支え合うしかないことが切ない。
物語には『親を亡くした』ことが明確に書かれてるわけではないけど、子供二人きりということはそういう事なのだろうなと。
子どもにも読めるように、悲惨さを減らしつつ『戦争のこと』を伝えつつ、説教臭くなく、子供が共感できるように……いろんな配慮がこの絵本にはしてあるような気がする。
子どもと一緒に読む絵本。
ごちそうさまでした。
絵本『きみは、ぼうけんか』