編集

絵本「なんみんってよばないで。」を読んで

2025/04/10

なんみんってよばないで。 大型本 – 2019/9/20 ケイト・ミルナー (著), 小寺敦子 (翻訳)
なんみんってよばないで。

絵本「なんみんってよばないで。 作:ケイト・ルミナ― 訳:こでらあつこ」を読んでみた。

住んでいた場所を離れることになった母子。質問と物語が混ざり合って書かれている。

住んでいた場所を離れることになり、持ち物を決め、長々と歩き、長々と待つ。時にはたくさんの人たちと共に、時には部屋もなく着替えも歯磨きもする場所を見つけるのが難しい。
やっと落ち着ける場所にたどり着いても……。


質問は考えさせられる。そして、考えることでそれが『身近』になっていく。
いい仕掛けだなと思った。
絵柄も落ち着いている。個人的にこの水色が物語とあっている気がした。

最後のページは大人に向けた解説ページもある。


ただ、日本だと難民の話は遠いような気がしてしまう。
ここは『ひなんしゃ』にして、災害時と絡めて書いたらもっとリアルになりそうだなと思ってしまった。ただ、これは逆にリアルすぎて被災してしまった子供たちに見せるのは難しくなりそう。身近過ぎると恐怖になり、遠すぎると他人事になってしまう。
災害避難の場合のこういう感じの絵本、ないかな。災害の規模によっては県外に出る人たちもいるんだし、変わらない感じがするんだけど。避難先でのいじめや差別も今までもあったんだし、そのための絵本があるといいなと思った。

ごちそうさまでした。


絵本『なんみんってよばないで。