編集

「幸せを招く世界のしるし」を読んで

2024/06/09

信じてみたい 幸せを招く世界のしるし –
 2017/5/23 米澤 敬 (著), 出口 春菜 (イラスト)

信じてみたい 幸せを招く世界のしるし

「幸せを招く世界のしるし 著:米澤敬 画:出口春菜」を読んでみた。

『翻訳できない世界のことば』と同じシリーズなのだろうか。文字と絵が一緒になっている。

表紙のかわいらしさとは裏腹に、中身は吉だけではなく凶も混じっている。絵柄は可愛いのだけど、暗い感じのする色が多い。

このジンクス、どこまで一般的なのだろう。少しマニアックなものも入ってるのではと疑ってしまう。

『扇子を拾う』『耳がかゆい』『塩をこぼす』……日本となってるけど、私これ、知らなかった。どの地域のジンクス?

『五つ葉のクローバー』
一生のうちに一回出会えるかどうかと書いてあったけど、これね。探してると意外と出会ったりする。『四つ葉や五つ葉になりやすい場所』みたいなものはあって、それに出会えば簡単に見つかる。でもこれは探してないと無理なわけで。「探してないけど、偶然出会う」のを期待していると一生に一度なのかな。
クローバーがあったらみないの? 気が付いたら遊具そっちのけで公園で四つ葉探しにならないの?と思ってしまった。


『本が落ちる』
親しい友人がやってくるしるし……だとしても、本を落としたくないわ。狙ったページを一発で開くことができれば大吉ですともあるけど、それは吉凶関係なく何となく嬉しいよね。わかる。

『3月14日の出血』は中風よけになる。
中風(ちゅうふう)がわからなかったので、調べてしまった。脳卒中の後遺症のこと……って、わからなかった。富山県にはアヒルの卵を食べると~というジンクスも載ってたけど、それ、聞いたことないんだけど。富山に住んでるけど、それ、知らない。
でも、病気にかからないというのに『日付指定』されてるのよくわからないな。その日を逃したら意味ないような気がするので、祭りか何かをやっているという事だろうか。

『犬のふんを踏む』
これ。すごく嫌だよね。でも「ラッキー」なんて思えるの?……と思っていたら、『日本やロシアでは鳥に糞をかけられるのが吉兆』と続いていて。アッと思った。
これ、単に『避けようがない出来事から少しでも心理的ショックを逃すためにラッキーに置き換える』みたいなものかなと。鳥の糞なんて避けようがないから『ラッキー』と思った方がマシというのはわかる。それと同じ構造だろうか。

『最初の女性客』
これ聞いたような気がすると思ったら、日本だった。日本だったかな。どこで聞いたのだろう。でもこれも、男性は横柄な人がそれなりの数混ざってるから、それよりは丁寧な女性客の方が最初に来た方が、心理的に楽みたいなものも混ざっていそう。


つい穿った考えで見てしまうような気がする。

『麒麟を目撃する』というファンタジーなジンクスの方が楽しくて好きだな。

絵本のような作りなので、サクサク読めて楽しかった。
でも、地域が限定されてるジンクスも多そう。広範囲と狭い範囲の話がごちゃ混ぜだし、『ヨーロッパ』というざっくりした地域指定があるのも少しモヤっとする部分。『ヨーロッパ』にするなら、日本は『アジア』のくくりになってしまう。

軽く読み流すにはいい感じだし、絵を愉しむにも良い本だと思う。私はこの絵柄、好き。


『信じてみたい 幸せを招く世界のしるし』