発表がうまくなる! 好きになる! 10歳から知っておきたい魔法の伝え方 単行本
–2021/10/23 鈴木 深雪 (著), 新藤 さとえ (イラスト)
「10歳から知っておきたい 魔法の伝え方 著:鈴木深雪 イラスト:新藤さとえ」を読んでみた。
相手への伝え方と考え方がわかりやすく書いてある。本の中では「プレゼンテーション」となっていたけど、個人的にはコミュニケーションの基本な気がするので、読んでよかったと思った。
この本、10歳の私に渡したい。と思ったけど、10歳の私だと難しいし理解できなさそう。今の子どもは「多様な情報」に嫌でも触れるけど、私の子供時代はもっとのんびりしていて、「情報」に触れることが少なかったから。子供同士のコミュニケーションももっと簡単だった……いや。私の場合は『マイペースなだけ』だったのかもしれないけど。
私に渡すなら、20歳ぐらいかな……。仕事を始める頃なら役立ちそう。
『基本的な事』がぎゅっと詰まってるので、子どもだけではなく大人にもお勧めの本。
CHAPTER1 伝える魔法 ~プレゼンテーションとは~
プレゼンテーションは、『自分の伝えたい気持ち』と『相手への想像力』で相手に伝わる。ということが、書いてある。基本だけど、わかりやすく細かく一つづつ説明してある。
「自分だけの言葉で」という部分が、良い。つい『見た目綺麗な言葉』だけを並べるけど、それだけだと足りないということがしっかり書かれてる。
CHAPTER2 メッセージの魔法 ~何を伝える?~
伝えるだけでは伝わらない。「ななたこ」を考える。
な なにを 伝えたい全体像。
な なぜ? 伝えたい理由。
た たとえば 具体例など
こ 行動 相手に行動してほしいこと
これを基本にプレゼンを組み立てると良いと書いてある。
これ、コミュニケーションの基本だよね。『子どもに伝えるとき』も同じように『大人がしっかり子供にプレゼンをする』ようにしないといけないんだよね。
もっというなら『親が子供を叱る』のをやめて『伝える』ようにするための言葉にもなる。
ほかにも細かいポイントがいい。「情報」と「気持ち」がそろうと人は動くというのも。
CHAPTER3 情報ツリーの魔法 ~どう組み立てる~
情報をツリー図にして考えようという事が書かれてる。
ツリー図ってこんな風に使うんだ……と思った。アイディア出しの図があるのは知っていたけど、使い方がよくわからなかったのでお勉強になる。
CHAPTER4 ビジュアルの真帆 ~どう見せる?~
プレゼンの資料の作り方が書かれてる。
この辺りは実用的。1枚につき伝えたいことは一つに絞る。プレゼンをする機会がなさそうなので、この辺りは何か応用で他の事に使えないかなと思ってしまった。
CHAPTER5 話し方の魔法 ~どう伝える?~
プレゼンの仕方について。
言葉の間を気を付けようなど。面接時も同じような注意があったような気がする。そして、緊張しているときほど声は出ないし、頭はパニックになる。場数を踏むしかないんだよね。
CHAPTER6 みんなへのメッセージ
場所を変えれば、伝わるかもしれない。伝えることを諦めないで。という事が書かれてる。
これ……大人の本だったらわかるんだけど、子どもの本の場合、「大人が聞けよ」と思ってしまうんだよね。せめて子供時代は「あなたの言葉を聞いてくれる場所がある」って信じられる時代にならないかな。
こう思ってしまうのも、自分が「誰も自分の言葉を聞いてくれない」と思ってた子供時代を過ごしたからだけど。せめて本の中だけでも「あなたの言葉を大人は必ず聞いてくれるよ」と言えるような社会がいいな。
現実がそうじゃないから「他の場所を探して」と本の中でも一応書いておかないといけないのだけど……早くその社会から脱出して欲しい。
伝え方の基本なので、いろんな場所で応用は出来そう。子どもに対して大人が説明する時にも使えるのいいよね。
読んでよかった。ごちそうさまでした。